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PwCコンサルティング合同会社は、「新規事業開発の取り組みに関する実態調査2025」を実施し、日本企業における新規事業の取り組み動向や直面している課題、および成功企業から学ぶべき方策を明らかにしました。本調査は、新規事業に取り組んでいると回答があった売上高10億円から1兆円以上の企業を対象としています。
日本では多くの産業で市場構造が成熟化しており、人口減少や可処分所得の伸び悩みが見られる中、それらを要因とする既存事業の成長に停滞感を抱く企業が、新たな柱となる事業の姿を模索しています。また、これまでの強みを武器に牙城を築いてきたグローバル企業でも、デジタル化などの先進テクノロジーや、サステナビリティ/ESGの観点で、外部環境における機会・脅威の認識を改め、ビジネスモデルを転換する必要性に迫られています。並行して、新規事業の創出手法はスタートアップ企業の成功研究を中心に科学され、理論化されてきました。既存事業をもつ伝統企業においてもそれらの実装が試みられた結果、新規事業にまつわる体系的な思考法や取り組み方について、一定のリテラシーが多くの企業内で醸成された状態ではないかと考えます(新規事業1.0)。にもかかわらず、新規事業開発の成功ケース*はわずかであり、再現性まで含め成功率を高められていないのが実態です。
本調査では、まず日本における新規事業の取り組みの実態を明らかにするとともに、成功企業と挑戦企業に分類した上での比較を通じて成功企業の特徴を抽出します。その上で、新規事業成功に向け施策展開を講じる際の成功要因・ボトルネック要因を分析し、日本企業が現状を打破し、変革を実現するための具体的な示唆を提示します。本調査が日本企業の新規事業開発における発展と拡大に寄与し、成果を結実するためのフェーズ(新規事業2.0)の一助となることを期待しています。
*本稿において「新規事業の成功」とは、案件ベースで投資回収フェーズ以降に到達している状態と定義しています
売上高10億円から1兆円以上の国内企業は、KPI設定項目において、中期(3年以内)の目標を測定する企業が多く、組織変更頻度も3年単位が最多となっています。この傾向から、多くの企業が3年で新規事業の成否を判断していることが明らかになりました。後述する「成功企業」とそれ以外の「挑戦企業」の両者において、この傾向は同様にみられました。
図表1:新規事業は3年で成果が求められる
Q. あなたの企業では、新規事業推進組織(または活動)に対して、どのようなKPI(成果指標)を設定していますか。当てはまるものを全て選択してください。(n=1,032)
Q. 「これまで「新規事業に関わる組織変更」はどのくらいの頻度で行われていますか。(n=932)
* 回答結果を基に、成功企業(Q1つ目:n=217, Q2つ目:n=199)、挑戦企業(Q1つ目:n=815, Q2つ目:n=733)それぞれの回答を集計
事業開発プロセスのうち、”1件でも”投資回収まで至っている新規事業案件をもつ「成功企業」は全体の2割程度となりました。さらに、目標とする主力事業化にまで至っている企業は1割に満たないことから、0➝1の立ち上げ(良筋な事業アイデア創出)、1➝10の確立(顧客獲得・オペレーション安定化)、10➝100の拡張(事業拡大のためのビジネスモデル改革)のいずれも課題があることがうかがえます。
図表2:新規事業案件の推進度
Q. あなたの企業において、進んでいる新規事業案件は、次のうちどのステータスに当てはまりますか。近しいものを選択してください。(単一回答、n=1,030)
* 回答結果を基に、各企業の最も事業ステップが進んだ案件を対象に、各事業ステップを通過した企業数を集計・企業数全体に占める割合を算出
上記の傾向を企業規模で分類した際には、超大手企業は主力事業化まで到達する割合が最も多く、一方で、大手・中堅企業は1→10、中小企業は0→1で困難を抱えていることが分かります。
図表3:新規事業案件の推進度(企業規模別の分解)
Q. あなたの企業において、進んでいる新規事業案件は、次のうちどのステータスに当てはまりますか。近しいものを選択してください。(単一回答、n=1,030)
* 回答結果を基に、企業規模別に各事業フェーズ・ステップを通過した企業数、各企業規模の企業数全体に占める割合、各事業フェーズに留まる企業数・企業割合を集計
上記の推進状況を業種別でみると、進捗状況によって、それぞれの業種がどのフェーズに注力しているかが異なることが分かります。
図表4:新規事業案件の推進度(業種別の分解)
Q. あなたの企業において、進んでいる新規事業案件は、次のうちどのステータスに当てはまりますか。近しいものを選択してください。(単一回答、n=1,030)
* 回答結果を基に、業種別に各企業の最も事業ステップが進んだ案件がどのフェーズ・ステップにあるかを集計、各業種で最も企業割合が多いフェーズに応じてグループ分け
取り組んでいる新規事業の種類においても、業種によって特徴がみられました。金融・電力などの企業が顧客基盤を軸とした新規サービスに注力し、消費財企業が新たな価値トレンドに対応するなど、各業種の既存ビジネスモデル上での差別化要素に裏打ちされている傾向がうかがえます。
図表5:取り組んでいる新規事業種類の回答割合(業種別)
Q. あなたの企業の中で取り組んでいる新規事業の種類について、主眼を置いているもののうち、最も当てはまるものを選択してください。(n=1,030)
* 回答結果を業種別に集計し、各業種において各選択肢の回答企業数が占める割合を算出
案件自体の成功率を高める動き(特定種類の新規事業への注力や、事業開発プロセス推進上の妙)については、業種による違いが強く、成功/挑戦企業で大きな差はみられませんでした。一方、取り組み主体である新規事業組織を強化する動きについて、成功企業と挑戦企業の間で大きな差があることが明らかになりました。
図表6:新規事業成功企業の特徴分析
図表7:成功企業にみられる特徴
* 新規事業の企画・実行機能は、既存事業組織側が担うパターンも存在
エンドースメント:社内で活動が形式的に承認されているだけでなく、事実として必要な存在として信頼されており、活動を協力・支援したいとメンバーが考えている状態
また施策展開状況から、成功企業は、全ての施策において挑戦企業よりも対応が進んでいることが分かります。特に「全社戦略の打ち手として位置付けたうえでの新規事業推進」において大きな差があるといえるでしょう。
図表8:新規事業の主力事業化に向けた施策展開状況
Q. あなたの企業において、新規事業を“主力事業化”していくにあたっての対応状況についてお答えください。(n=1,032)
* 回答結果を基に、成功企業(n=217)、挑戦企業(n=815)それぞれの回答を集計
PDF版では、上記の傾向をさらに深掘りしたファクトデータ(全45ページ)を提供していますので、是非ダウンロードください。
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