
メッシュアーキテクチャが切り開く新たなデータアナリティクス~第8回 競争優位を築くメッシュアーキテクチャの実践
メッシュアーキテクチャ実現に向けたポイントをシステムの観点から考察し、中央データ基盤に求められる機能群ごとに解説します。
企業の経済活動は環境と社会という土台の上に成り立っており、環境価値・社会価値を毀損すれば、めぐりめぐって企業自らの経済価値を毀損することが広く認知されています。サステナビリティは、「環境・社会のために経済を犠牲にする」という「トレードオフ」ではなく、むしろ「環境・社会を守り、強化することで、経済を守り、強める」という「トレードオン」の思想です。
PwCでは、定期的にサステナビリティをテーマとした消費者調査を行っています。2022年の調査では、既存の価値をフックにサステナビリティ商品を消費者の手に取ってもらい、消費者の価値観をアップデートすることでサステナブル消費は拡大するという仮説を立てました。本調査では、その立証とともに、新たにサステナブル消費の後押しをする3つのトリガーを提示し、過去の調査で明らかになった選好・価格プレミアムに加え、サステナビリティブランディングによって得られる「持続プレミアム」について分析しました。ロイヤリティの高いサステナブルな消費者の価値観に先回りして対応することは、「先行」プレミアムの獲得にもつながり得ることがわかっています。
サステナビリティの必要性を理解・共感する人の割合は2022年に比べ1.5倍に増えています。
理解・共感の高まりとともに、日常生活における行動を実践している消費者も増加しています。他方で、サステナブルな消費行動※を実践している消費者は、ほぼ横ばいであり、企業のサステナビリティの取り組みが財務につながる市場は形成途上と言えます。
※ここでのサステナブルな消費行動とは環境・社会課題を考慮した商品・サービスの購入を指します
企業がサステナブルな消費行動を促進していくヒントとして、サステナブル消費を後押しするトリガーを環境・社会課題の捉え方に応じて3つの類型で整理しました。
① 自分ゴト:環境・社会課題の被害・影響を、自分や周囲の人が実際に受けたり、目の当たりにしたりすることがトリガーとなっている
② 決まりゴト:家族や周囲の人がやっていたり、地域社会や学校、職場でルールがあったりすることで、環境・社会課題に対応することが当たり前の習慣になっていることがトリガーとなっている
③ 学びゴト:環境・社会課題について学校や職場で詳しく学んだり、テレビやSNSなどを通じて詳しく知る機会があったりすることで、課題を知識として学んだことがトリガーとなっている
2022年の調査では、企業に対するつながり・親密さを向上させることで、選好・価格プレミアムが生まれることがわかりました。今回の調査では、新たに「持続プレミアム」(他商品と比べても、選び続けたい)の存在が見えています。サステナビリティへの取り組みがもたらす一連のプレミアムをサステナビリティブランディングと呼ぶならば、企業は、現在の消費者の動向だけを見るのではなく、消費者の“内なる変化”にいち早く気づき、これからの市場をつくる一歩を踏み出すことで、その価値を最大化していくことができるのではないでしょうか。
メッシュアーキテクチャ実現に向けたポイントをシステムの観点から考察し、中央データ基盤に求められる機能群ごとに解説します。
日本企業のデータマネタイゼーションへの取り組みが加速しています。PwCの最新調査では、データマネタイゼーションの活動が国内企業に定着するなか、「始まりの壁」「生みの苦しみ」といった課題感が存在し、それらに対して社内プロセスやステージゲートの整備などが有効な施策となり得ることが明らかになりました。
メッシュアーキテクチャの導入について、人材育成に焦点を当て、昨今のビジネス環境で求められるデータ利活用人材の役割と教育方法について深掘りします。
日本企業が業務、IT部門それぞれで抱える課題に応えていくには生成AIの活用が有効になってきます。生成AIをどのように活用すればいいのか、PwCの考える生成AI活用戦略について、生成AI×SAPによるデジタルトランスフォーメーションを推進するET-ESのディレクター伊東 智が語ります。