
Vol.5 AIがもたらすトラストギャップとの向き合い方~マルチステークホルダーによるAIガバナンス~
AIが急速に普及する中、利活用を促すためのAIガバナンスをいかに構築すべきでしょうか。中央大学の須藤修教授に、会計監査におけるAI活用やAIガバナンスの構築支援に取り組むPwC Japan有限責任監査法人の宮村和谷、伊藤公一が聞きました。
昨今の企業では業務効率化が進んでおり、またリモートワークのメリットを生かしたハイブリッドなビジネスモデルが主流になると見込まれ、デジタル化のニーズはさらに拡大しています。また、2022年後半から世間を賑わせている生成AI技術の普及によりAI はより身近なものとなり、AIを利用したビジネスはますます発展すると考えられます。
本稿では、AIが会計監査に与える影響と、AIに関する将来の展望や考慮すべき事項を紹介しています。AIを導入するための段階的なステップと標準化への課題、また各監査手続のAI化の例示と、その中でも証憑突合をベースにしたAIの適用事例、生成AIが会計監査に与える影響を記載しています。
AIの導入は有益な価値をもたらす反面、誤った情報を提供するリスクも存在するため、現在は100%の精度の生成AI技術を担保することはできません。そのため、今後の対応や技術的な進歩が望まれますが、将来的には生成AI技術の進化により、全件精査を行いデータドリブンな監査を実現することも可能となるでしょう。
また、被監査会社においては、AIを業務に利用する場合の内部統制を構築する必要があり、AIガバナンスの検討は必要不可欠と考えられます。監査人にとってもAIなどのデジタルリテラシーの必要性が上がっていくと見込まれ、新たなビジネスモデルに合ったスキルを身に付けていくことで、会計士の価値は向上していくと考えられます。
AIが急速に普及する中、利活用を促すためのAIガバナンスをいかに構築すべきでしょうか。中央大学の須藤修教授に、会計監査におけるAI活用やAIガバナンスの構築支援に取り組むPwC Japan有限責任監査法人の宮村和谷、伊藤公一が聞きました。
現在のビジネス環境は、消費者ニーズの多様化やグローバル競争の激化に加え、気候変動や地政学的リスクなどの外部環境の急速な変化が企業の事業ポートフォリオに影響を与えており、予測の不確実性を前提にした柔軟な対応策が不可欠です。その対策として、KPI管理の高度化に向けた取り組みについて解説します。
J-SOX対応業務におけるデジタルツール導入の課題や、生成AIを活用した具体的な統制テストの事例に触れることで、生成AIの効果的な活用法についてのヒントを提供します。
多様なテーマを抱えるサステナビリティの領域におけるデータガバナンス/マネジメントを推進するにあたり、個別最適に陥りデータの全社的な利活用に至らないことが課題とされています。本コラムでは、組織横断的なデータガバナンスが必要な理由、そしてその推進の要諦を解説します。