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PwCコンサルティング合同会社は2025年11月7日、東京ビッグサイトで開催されたJapan Mobility Show 2025にて、モビリティ産業の未来をテーマとするパネルディスカッションを行いました。
モビリティ産業で勝ち抜いていくためには、世界の市場でのシェア獲得に向けた製品やサービス開発、ビジネスモデルの構築、それらに伴う戦略の再構築が急務です。
今回のパネルディスカッションでは、産業アーキテクチャに詳しい慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科研究科委員長/教授の白坂 成功氏、自動車業界の動向に詳しいnicomobi株式会社 フェローで株式会社REDER 取締役CSOの岩田 和之氏、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社をはじめとした複数の企業で取締役を務める志賀 俊之氏をゲストに招き、「産業アーキテクチャで読み解く未来のモビリティ」をテーマに、PwCコンサルティング スマートモビリティ総合研究所副所長の川原 英司とともに、日本のモビリティ産業の勝ち筋について話を展開しました。その概要を紹介します。
登壇者
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科
研究科委員長/教授
白坂 成功氏
nicomobi株式会社 フェロー
株式会社REDER 取締役CSO(最高戦略責任者)
岩田 和之氏
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社 取締役
株式会社スマートドライブ 取締役
株式会社技術承継機構 取締役
株式会社andCapital 取締役
志賀 俊之氏
PwCコンサルティング合同会社
スマートモビリティ総合研究所 副所長
川原 英司
イベントでは、まずスマートモビリティ総合研究所の副所長である川原を中心に、モビリティ産業の成長性と、産業アーキテクチャについて説明が行われました。
図表1:スマートモビリティ市場規模
モビリティ産業の市場はこれから大きく成長していきます。
スマートモビリティ総合研究所は、2023年に約130兆円だったスマートモビリティの市場規模は、2030年にはハードウェアとソフトウェアを合わせて390兆円となり、特に物流、移動、エネルギー、通信、インフラ、金融、メンテナンス、サーキュラーエコノミーといったサービス関連が大きく成長すると予測しています。
これはビジネス環境としてはポジティブな要素です。しかし、日本のモビリティ産業や個社の成長を約束するものではありません。
実は同様の市場成長は過去にもありました。半導体、液晶パネル、リチウムイオン電池の市場が世界で急成長しましたが、日本のモビリティ産業はその変化を十分に捉え切れず、世界の市場でシェアを落としてしまったのです。
これからの成長市場で日本のモビリティ産業がチャンスをつかんでいくためには、強みを発揮して競争できる分野を特定し、多様な専門性を組み合わせて価値提供していくことが求められます。そのために必要なのが、精度の高いモビリティ産業のアーキテクチャです。アーキテクチャは産業全体の地図を示し、プレーヤー、それぞれの強み、連携や協業の可能性を可視化します。PwCコンサルティングは、スマートモビリティ総合研究所を通じてアーキテクチャデザインを行っています。
図表2:モノ、コトの産業アーキテクチャの変化を支えるオペレーティングモデル
パネルディスカッションでは、産業アーキテクチャを踏まえた産業全体と個社の戦い方について、パネリストがそれぞれの専門的な見地からさまざまなヒントを提示しました。
図表3:次世代のモビリティ産業アーキテクチャ(概念図)
宇宙開発のアーキテクチャを専門とする白坂氏は、日本のモビリティ産業を成長させていくためには「何を強みにして、どのような価値を提供していくかが重要」と話しました。
ユーザーが車に求める価値は、運転する楽しさや走る喜びの他に、安心と安全、経済的なメリット、利便性、環境負荷の軽減などがあります。重要なのは、その中で自分たちが提供でき、かつ優れた価値を提供できるのはどの分野かを整理することです。これは産業全体や個社のミッションと言い換えることができます。
価値の創出と提供では「モビリティ産業のデジタル技術が急速かつ大きく進化していることを踏まえる必要がある」と、白坂氏は指摘しました。
従来の事業では、どのような価値を提供したいかを考え、それを目的として手段を選択してきました。しかし、今のモビリティ産業は手段となる技術が高度化しています。それらを使うことにより、目先の目的を簡単に実現できるようになるだけでなく、今までのモビリティ産業では誰も目的としてこなかった新たな価値の創出や提供が可能になりました。
その変化を念頭に置いて、どのような価値を提供するのかを再定義することが重要です。また、価値提供の範囲が広がったとはいえ既存事業とかけ離れた「飛び地」での新規ビジネスは難しいため、実現可能性や難易度を読み解く上でも産業アーキテクチャを活用することが大事になります。
日本のモビリティ産業を「オールジャパン」で成長させていくためには、世界で戦える分野を見定め、そこが生きる産業アーキテクチャを組んでいくことがポイントです。その取り組みを産官学連携で推進していくことで、これまで培ってきた知見を詰め込むことができ、産業全体の勝ち筋を作っていくことができます。
一方、産業内における個社の戦い方もアーキテクチャから読み解くことができます。
産業アーキテクチャは、各プレーヤーと、それぞれが持つ強みを示します。それを参照することで、各社は自分たちが勝ちやすいドメインを選定できます。ドメインが決まると、価値提供のためにどういう機能(ファンクション)を揃える必要があるか、どこを起点に、どのような将来的な発展が見込めるかも見えやすくなります。
ドメインと戦略が決まったら、それを着実に実行していくオペレーティングモデルを考えます。その際のポイントは産業内での連携です。
ユーザーのニーズを1社で網羅することは難しく、自前で1から仕組みを作ろうとすると市場の成長に乗り遅れてしまいます。そこで、産業アーキテクチャを活用してエンジニアリングチェーンやサプライチェーンのプレーヤーを整理します。
また、各分野のプレーヤーを見ながら、連携できる相手がどこにいるかを把握します。例えば、サービスを作る際にプラットフォーマーと組んで規模を広げる、他のサービスと組み合わせて価値を高めるといった連携によってユーザーが得る価値が大きくなります。モビリティは規制や法律とも関わるため、それら専門性の高い分野での異業種連携も重要です。より大きな視点では、このような連携を産業全体で推進していくことによって日本のモビリティ産業が成長します。
連携促進の具体的な方法として、岩田氏は自動車メーカーに勤めていた経験を踏まえて、標準化の重要性に言及しました。例として、ハードウェアであれば複数の事業体が共通で使えるように電池の仕様を統一すること、データ管理ではプラットフォームに貯めていくデータ形式を統一することが効率化につながると話し、「全体最適の視点で標準化をオーケストレーションする必要がある」と指摘しました。
志賀氏も同様に、事業インフラに関わるOS(オペレーティングシステム)やAPI(Application Programming Interface)の共通化やデータ共有の重要性について説明しました。また、日本のモビリティ産業は個社がそれぞれ高い技術力を持っていながらも、「自前主義に陥り、同じテーマを横並びで研究をしているケースがある」と指摘した上で、「オープンイノベーションが重要」と話しました。OEM企業が異業種と組む、スタートアップと組む、大学や研究機関との産学連携を強化するといった取り組みを推進していくこと、その際には産業アーキテクチャを共有し、どういうフォーメーションで戦っていくのかを定めることが重要です。
モビリティの産業アーキテクチャについて、白坂氏は「産業のアーキテクチャは垂直統合からスタートして水平分業に変わっていく」と解説しました。
白坂氏は「例えば、かつて航空産業では、航空機メーカーがサービス事業も行っていました。その後、サービス事業を分離し、今は製造に特化しています。ものづくりからサービスまで垂直で担っていた状態から、産業全体の発展に伴って分業していったわけです」と話しました。
モビリティ産業も、現状は大手メーカーを中心とするOEM群で自動車生産が垂直統合化されていますが、これから産業全体が発展していく中では、例えば「この事業は切り出した方がよい」「ソフトウェアとサービス開発は外部と連携した方がよい」といった経営判断により、水平分業化が進んでいくでしょう。
パネルディスカッションのまとめとして、パネリストが共通認識を示したのは「自動車産業はモビリティ産業へと進化し、日本を代表する大規模産業として未来を築く」ということでした。
その成長を加速させていくために、私たちPwCコンサルティングは最新情報の収集、分析、発信を行い、アーキテクチャデザインに貢献していきます。また、産業内外の人と組織を結び付けるスマートモビリティ総合研究所のハブ機能を拡充し、産官学の合従連衡を促進するオーケストレーションによって産業と個社の成長を支援していきます。
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