Transact to Transform 適応できなければ競争には勝てない。

企業変革のためのM&A

  • 2025-08-04

企業には長期的で「サステナブル」な価値観が求められる一方で、「四半期単位」での業績に株価が連動するといった現実もあります。組織には「多様性」が大切といわれる一方、「協調性」も必要とされます。「DX」や「生成AI」を活用した生産性向上が必要ですが、働き手の「ウェルビーイング」も重要です。

このように、現在、企業に求められるアジェンダは複雑性を増しています。このような時代に「成長」や「変革」を実現するためには、内製的なアプローチでは限界があり、M&Aを活用したある意味でのスピーディかつラディカルなアプローチが必要不可欠といえます。

日本におけるM&Aそのものの歴史は古く、明治時代の産業革命期にまでさかのぼると言われています。しかし、将来の予測が困難なVUCA時代に市場や企業に求められる「M&A」は、従来とは一味も二味も違います。

このような時代だからこそ、リスクを理解しながらもM&Aをチャンスと捉えて活用してほしい、企業変革、そして「成長」に生かしてほしいと私たちは考え、VUCA時代の「M&A」の要諦を「企業変革のためのM&A」にまとめました。

PwC Japanグループでは、M&Aを企業変革のシナリオ、アジェンダとして捉える思想として「Transact to Transform」を掲げています。その基本的な概念は「M&Aと企業変革がもたらす相互作用が、企業の新陳代謝と価値創造の循環を生み出す」ことにあります。低迷する日本経済において、持続的な成長を続けるため、企業は継続的かつ機動的なM&Aの推進を迫られます。さらに、異業種融合やクロスボーダーの案件などディールおよびPMI（統合プロセス）の複雑性が増し、その難易度は高まっています。M&Aを実行する企業側に求められるケイパビリティも非常に高度化しているのです。

「現状維持を否定し、新しい領域にチャレンジして、異なるカルチャーを包摂する。それと同時に、企業価値を高めて、株主をはじめとするステークホルダーからの期待に応える」

このような企業としてのあるべき姿は一朝一夕に形成できるものではありません。経営者、経営幹部、M&Aを推進する部門、事業部、外部アドバイザーといった全ての関係者が組織ケイパビリティとして実装すべき「M&A対応力」について、豊富な実務経験と事例を紐解きながら解説します。

本書の主な内容

第1章 VUCA時代に求められる企業変革のためのM&A

第2章 資本市場からの要請とM&A

第3章 M&A戦略の策定／実行

第4章 バリューアップの方法論（トランスフォーメーション）

第5章 M&Aレディネスの構築

第6章 業界ごとのM&Aトランスフォーメーション

M&Aを成功に導く ビジネスデューデリジェンスの実務（第4版）
  • 書名：企業変革のためのM&A Transact to Transform 適応できなければ競争には勝てない。
  • 編著：PwC コンサルティング合同会社　PwCアドバイザリー合同会社
  • 出版社：ダイヤモンド社
  • 定価：2,200円（税込み）

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