
【セミナー】CLOに求められる、持続可能性と競争優位性に貢献するサプライチェーンネットワーク構築
PwCコンサルティング合同会社とCoupa株式会社は2025年6月13日(金)に、表題のセミナーを対面で開催します。
2021-06-21
※2021年5月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーション ニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
前回、レベニューキャップ制度のエッセンスは「原価主義から成果主義へのパラダイムシフト」であること、そして送配電事業者に求められる変革について概要をご紹介しました。今回は、経営管理への影響にフォーカスしご説明します。
レベニューキャップ制度下では、どのような成果を実現するか(①アウトプット管理)、そのためにいくら必要か(②設備投資管理、③コスト管理)、利益はどの程度となるか(④収支管理)、の主に4つの観点で経営管理を行います。
送配電事業者が一定期間に達成すべき目標として、安定供給などのアウトプット項目およびその評価方法の指針が国から示されます。当方針に則り、事業者は目標設定・進捗管理に必要なデータを収集し報告しなくてはなりません。
例えば、「停電量」は現状も各社が管理しているデータですが、特別高圧・高圧を含めた需要家における停電時間の実績採録や停電要因分類も求められる可能性があり、その場合、一部の事業者では採録データの拡充のためシステム改修が必要となります。また、国が具体的な目標数値を決めず、ステークホルダーとの協議などにより、事業者が自主的に目標設定する項目もあります。海外では「顧客満足度」に関して、ステークホルダーへの満足度アンケートを活用する例もあり、体系化されたステークホルダーマネジメントの設計・準備が求められます。
送配電設備の確実な増強と更新の観点から、リスク量などを勘案し必要な投資量が確保されているか、効率的な単価設定となっているかを査定されます。
リスク定量評価の標準的な手法は、広域機関からガイドラインとして示されますが、事業者はアセットマネジメントシステムの導入などにより、設備管理データベースの整備・機能拡充に取り組む必要があります。例えば、経理部門の資産情報と、設備保全部門の設備運用情報を紐づけた資産情報の一元管理などが課題として想定されます。
収入上限の算定にあたり、費用特性に応じてCAPEX(設備関連費)・OPEX(事業経費)などに区分して見積費用の査定がなされます。CAPEX単価やOPEXの水準は、経年比較だけでなく、事業者間の横比較によっても検証されます。
ここでは、修繕費など費目ではOPEXかCAPEXを一律判断できない費用が存在するため、勘定科目体系の見直しや件名管理などが課題となる可能性があります。また、減価償却費について、収入上限を算出する上では(=管理会計上は)、原則として定額法とすることが議論されており、定率法を採用している場合には別途算定の準備が必要です。
さらに、当局の査定を待つのではなく、事業者としても、他社ベンチマークや自社内エリア比較等を実施し、コスト削減余地の把握やベストプラクティスの横展開に取り組むことも有用です。
アウトプット項目の目標達成度に応じて、一部、ボーナス・ペナルティなどの経済的インセンティブが付与されます。事業者は、目標達成状況とそれによるインセンティブ影響を試算し、費用変動額と合わせて、収支予測をタイムリーに行える仕組み作りが必要です。
レベニューキャップ制度を見据え、まずは必要なデータを収集・管理する基盤が整備されているか、早期の点検をお勧めします。そのうえで、過去の延長線ではなくゼロから戦略に応じた最適資源配分を考えるZero Based Budgetingや、目標へのコミットメント強化に資する業績評価制度、ステークホルダーエンゲージメントなど、レベニューキャップ制度の本質である成果主義へシフトするための経営管理の仕組みづくりが肝要です。
PwCでは、レベニューキャップ制度に対する無償診断(KPI管理・データ整備状況など)を提供しています。また、海外先行事例などに基づく経営管理ツールの標準モデルを設計しており、簡易デモでの紹介も可能です。お気軽にお問い合わせください。
PwCコンサルティング合同会社とCoupa株式会社は2025年6月13日(金)に、表題のセミナーを対面で開催します。
PwC Japanグループは2025年6月4日(水)に、表題のセミナーをシンガポールで開催します。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所とPwCリスクアドバイザリー合同会社は2025年5月28日(水)に、表題のセミナーを対面で開催します。
化学産業の脱化石化は、世界的なネットゼロを実現する上で最も重要な要素の1つといえます。本レポートでは、基礎化学物質の脱化石化に向けた具体的な道筋を示し、予想されるCO2排出削減効果や必要な投資について説明します。