{{item.title}}
{{item.text}}
{{item.text}}
2021-02-26
※2021年2月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーション ニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
「2050年のネットゼロ/脱炭素」を目指して、日本は有限な化石燃料を主軸としたシステムから持続可能な再エネを中心としたシステムに大きく舵を切りました。ただし、年末・年始の電力需給ひっ迫は、ネットゼロ達成に向けた政策作りの大きな柱である非効率石炭火力の退出の議論に供給の安定性という観点から大きく影響する可能性があります。
温室効果ガス(GHG)削減を国の政策の中心に据えるドイツは、1990年と比較して2020年までにGHGを40%削減、2030年までに55%、2050年までに80-95%削減し、ネットゼロを達成することを目指しています。そのような気候変動対策の先駆者として積極的な再エネの導入をはじめとした様々な気候変動対策を強力に推進した同国でも、2019年末時点での2020年の削減見込みは同比32%程度にとどまり、目標の達成は困難だと考えられていました。しかしながら、コロナ禍による歴史的なエネルギー消費量の低下がその状況を一変させ、来月に正式に発表される2020年のGHG総排出量は1990年のレベルより40%削減するという当初の目標を達成できたと分析されています。
2020年のGHG削減目標達成が薄氷を踏む状況だったドイツは、今後の排出削減の進捗に大きな危機感を持っています。再生可能エネルギーの導入は、2020年までに総電力消費量の35%の目標に対し、2018年には38%、2019年上半期には44%と当初目標を大きく上回りながら、さらに拡大することを計画しています。また、2038年までの退出を目指していた石炭火力については、その目標をさらに加速させるべく、2022年まで12.5GW、2030年までには25.6GWの退出を目指しています。2031年以降の強制退役も想定される中、2020年からは、石炭火力の経済性に着目し、退役スケジュールと補償金をリンクさせる枠組みを構築し、早期退役を促しています。発電所が建設された時期によっては、補償金の受け取り額が将来のCFを上回るケースもあり、電電気事業者ごとに早期退役に応じるべきかの議論が進んでます。
新たな石炭火力退出促進策(2020)
ドイツは原子力発電を2022年まで廃止することを決定しており、脱炭素政策の下、不安定な再エネの更なる拡大を進めるためには、中長期的に供給安定性の確保が重要となります。2016年、連邦経済技術省(BMWi)を中心に容量市場に代わる「戦略的予備力」の仕組みを構築、電力市場で十分な容量が確保されない時に稼働させる待機電源として、8つの施設、総設備容量2.7GWに限定し石炭火力を活用しています。この制度で石炭火力発電設備は時限的な予備力として活用され、実質的な補助金を受けるが、2020年には新たに1056MWを戦略的予備力として設定、予備力となる設備は2年間にわたって68,000 ユーロ (約870万円)/年 が支払われます。この制度はEU委員会の審査を経て2019年にスタートしていますが、石炭全般への補助金撤廃をうたったEUの方針に反するとして、多くのEU加盟国から批判的な意見も見られます。脱炭素の動きを加速させるドイツでも供給力を確保するためには、時限的であっても石炭火力を支援する政策も並行して進めており、エネルギー転換を進める政策の難しさを表しています。
翻って我が国では、まさにネットゼロに向けた再エネの拡大を進めようとしている中、今まさにその新しい脱炭素と供給安定性というテーマに対応するエネルギーミックスが作られようとしています。ベースロード電源としての原子力の再稼働が進まない中、石炭火力の退出を進めようとしているが、気候変動問題にも対応しつつ、長期にわたって日本経済を支えるためには、多様な電源による柔軟で安定した電力システムの構築が不可欠です。PwCでは、2050年までの中長期の電力価格予測を提供しているが、国内電力需要、燃料費を想定とともに、今後は政府方針として示される2050年のネットゼロを目指すエネルギーミックスとその実現性を理解することが益々重要となると考えられます。
PwCでは、独自に開発したモデルによって日本の電力価格予測・フォワードカーブを提供し、電力取引にかかわる方々を支援しています。ご関心がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
富田 宏
ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社
※法人名・役職などは掲載当時のものです。
{{item.text}}
{{item.text}}