2023-06-29
移転価格ニュース
2023年6月29日
日本では、グローバル・ミニマム課税のうち所得合算ルール（Income Inclusion Rule: 以下IIR）が2023年度（令和5年度）税制改正（以下、2023年度税制改正）で導入されました。IIRの計算は非常に複雑であり、その計算要素の中で移転価格税制の実務がIIRの計算に大きな影響を与えることは、あまり周知されていません。現状、日本企業はIIRの導入初年度となる2024年4月1日以降の開始事業年度に備えて、新制度対応への準備を進めています。その中で、移転価格税制に基づく所得調整の論点も理解をした上で、制度対応への準備をしておくことが非常に重要となります。
2021年10月にOECD／G20の「BEPS包括的枠組み」において合意されたグローバル・ミニマム課税を踏まえ、2023年度税制改正においては、グローバル・ミニマム課税のルールのうち所得合算ルールの法制化として、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税等が創設されました。さらに、この制度の対象となる特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等の名称や国別実効税率、グループ国際最低課税額等の事項を税務当局に提供する制度として、情報申告制度が創設されています。
本ニュースレターでは、特に移転価格税制に基づく調整が、国際最低課税額に対する法人税制度に与える影響を概観し、同制度への制度対応を検討される企業への影響を整理します。
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