移転価格裁判事例を読み解く - 残余利益分割法を用いた課税事案② -(東京地判令和2年11月26日)

東京地方裁判所は、2020年(令和2年)11月26日、セラミック製品の製造を主たる事業とする内国法人(以下、「原告」)がポーランド子会社との国外関連取引について支払いを受けた対価の額が独立企業間価格に満たないとして昭和税務署長から受けた更正処分等について争った事件において、更正処分の大部分を取り消す判決を下しました(平成28年(行ウ)第586号 法人税更正処分等取消請求事件1)。その後の控訴審においても、原審判決は相当であるとして、控訴棄却の判決が下されています(東京高判令和4年3月10日)。

東京地裁は、原告とそのポーランド子会社との間のライセンス取引について、残余利益分割法を用いてその残余利益を分割する際、重要な無形資産以外の利益発生要因を分割要因として考慮することは許されるべきであるとして、ポーランド子会社側の重要な無形資産以外の要因による独自の価値ある寄与を認めて残余利益を分割することが相当であるとしました。

本件は、残余利益の分割要因について争われた事件であり、その判決の内容が、企業の移転価格対応への示唆に富む内容であることから、本ニュースレターで紹介します。

  1. 本件の概要
  2. 争点

(全文はPDFをご参照ください。)

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