2018-10-26
PwC Legal Japan News
2018年10月26日
東京地裁は、2017年12月6日、内国法人が外国の子会社から受領した剰余金の配当(資本剰余金及び利益剰余金の双方を原資とする剰余金の配当)に係る法人税法上の取扱いを争点とした事案(以下「本件」といいます)につき、納税者勝訴の判断を下しました(以下「本件判決」といいます)。
本件は、法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)(以下「法」といいます)23条1項1号及び24条1項3号(現行の法人税法(以下「現行法」といいます)24条1項4号)所定の「資本剰余金の額の減少に伴うもの」の意義が主な争点とされたものです。本件判決は、当該争点につき、資本剰余金及び利益剰余金の双方を原資とする剰余金の配当は「資本剰余金の額の減少に伴うもの」に該当する旨の判断を示したものの、その際のみなし配当の金額の計算を定める法人税法施行令(平成26年政令第138号による改正前のもの)(以下「法令」といいます)23条1項3号(現行の法人税法施行令(以下「現行法令」といいます)23条1項4号)の規定は、利益剰余金を原資とする部分の剰余金の配当の額が「株式又は出資に対応する部分の金額」に含まれることとなる場合は、そのような計算結果となる限りにおいて法24条1項3号(現行法同項4号)の委任の範囲を逸脱した違法ものとして無効であるとして、結論として更正処分を取り消す旨の判決を下したものであり、今後の実務にも影響を与えうるものとして、注目に値します(なお、本件は現在控訴審係属中です)。本ニュースレターでは、本件判決の紹介と若干の検討を行います。
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