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欧州委員会は、使用済み自動車(ELV:End-of-Life Vehicles)の廃棄やリサイクルに関する「ELV指令」および、再使用、再利用、再生に関する「3R指令」を一つに統合し規則化するELV規則案を2023年7月に提案。2025年9月9日に欧州議会は新たな欧州ELV 規則に関する欧州議会案を賛成多数で採択した。既に2025年6月17日に欧州理事会は政治合意した交渉方針を示す一般アプローチを採択しており、今後は欧州委員会、欧州議会、欧州理事会が共通の合意文書作成に向け協議するトリローグへと進み、立法プロセスは大詰めを迎える。
本規則案が注目を集める理由として、新車に再生プラスチック適用を求めることが挙げられる。自動車に多く使用される構造材とされる鉄、アルミ、プラスチックの中で、プラスチックは主にサーマルリサイクル(熱回収)により廃棄物処理され、資源循環が実現していない。鉄やアルミは再生資源としての価値が再資源化コストを上回り、自動車および他産業にて再資源として活用されるが、プラスチックはこの経済合理が成り立ちにくい。すなわち、本規則は再生プラスチック使用義務化を通して、再生プラスチックの価値を強制的に高めていくものとも言える。一方で自動車産業は環境対応だけでなくグローバル競争を勝ち抜くことも同時に求められ、規則をきっかけに再生プラスチックの供給コストを下げる戦いも避けられない。
また、再生プラスチックのコストも自動車業界にとって変化をもたらすことから注目を集めている。
まず一つ目は「再資源化プロセスへの技術活用」である。プラスチックにはポリプロピレン や ポリエチレン 、ABSなどの種類が存在し、再生材として活用するためには同一種類のプラスチックを取り出す必要があるが、内外装のプラスチック部品を人手だけで取り外し、選別するには多くの工数が掛かる。そこにAIとロボティクスを活用した自動車の自動解体システムや、混在するプラスチックを液体選別や光学選別などの高度選別装置を導入することで、処理量確保とコスト削減が期待できる。
二つ目は「サーキュラーエコノミー全体でのプロセス統合化」である。資源リサイクルだけを目的に部品や材料の取り外しを高度化するのではなく、車両自体のリファービッシュや部品リビルトなど製品使用の最大化を図るサーキュラー全体で部品取り外しなどのプロセスを共同活用し、相対的にリサイクルプロセスのコスト削減を狙う。車両のSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークルSoftware-Defined Vehicle)化により車両製造後もソフトウエアは更新が可能となり、ハードウエアをリファービッシュすることで、これまで以上に車両の価値を長く維持するビジネスが着目される可能性があるためである。
最後は「産業間の連携」である。これは自動車産業と静脈産業間が連携することで解体しやすい車両設計をさらに推進する、自動車産業以外で使用していたリサイクルプラスチックを自動車に活用するなど、産業横断での最適解を模索する考え方である。すべてを語り切れないが技術、ビジネス変革、産業間連携等により新しい自動車サーキュラー市場が形成されることが期待される。
※本稿は、日刊自動車新聞2025年10月6日付掲載のコラムを転載したものです。
※本記事は、日刊自動車新聞の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。
※法人名、役職などは掲載当時のものです。
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