デジタル経済課税 第1・第2の柱ブループリントと今後の動向

2021-05-17

2020年10月12日、BEPS包摂的枠組(OECD/G20 Inclusive Framework on BEPS)は、デジタル経済課税に係る第1の柱及び第2の柱それぞれのブループリント(青写真)に係る報告書を公表した。

これらは、BEPS(税源浸食利益移転)行動1(電子経済に係る課税上の課題への対処)に係る最終報告書が2015年に公表されて以来、包摂的枠組で検討されてきたいわゆるデジタル経済課税についての検討過程で議論されてきた第1・第2の柱それぞれについてのコンセンサス作りの土台となるものとして公表されており、検討内容の詳細な説明とともに、論点が具体的に提示されている。

第1の柱は、各国における企業利得の課税権を新たなルールで再配分しようとするものであり、また、第2の柱は各国におけるミニマム税率での課税を確保しようとするものであるが、これらの報告書については、検討内容に多大の進展がみられている一方で、いわゆる政策的課題とともに、参加国間での意見の一致をみていない多くの技術的課題が残されていることをも前提として、分析・記述がなされている。また、これまでに産業界等から提出されたコメントを受けて、2021年1月に公聴会(パブリックコンサルテーション)が開催され、それらを踏まえて、今後、2021年半ばまでの最終合意に向けての検討が続けられることとなっている。

第1回目では、第1の柱のブループリントの重要な点について概説する。

第2回目では、第2の柱のブループリントの重要な点について概説する。

第3回目では、第1・第2の柱ブループリントに関する「多国籍企業の反応」、「今後の動向」について概説する。

(全文はPDFをご参照ください。)



「月刊国際税務」2021年1月号~3月号 寄稿
顧問 岡田 至康
パートナー 高野 公人