研究の成果を未来に活かす

「トラスト(信頼)」を根幹として10年先の社会を見据える

  • 2024-11-18

PwC Japan有限責任監査法人は、「トラスト(信頼)」のあり方を追求するグループとしてトラスト・インサイト・センター(TIC)を法人内に設置している。そのTICの中核を担う研究所の一つが、2007年に設立された基礎研究所だ。多岐にわたるX(トランスフォーメーション)の可能性と課題を探り、社会において「トラスト」を形成する方法などを研究する同研究所の取り組みについて、所長の矢農理恵子氏、副所長の山田善隆氏に聞いた。

(左から)山田 善隆、矢農 理恵子

(左から)山田 善隆、矢農 理恵子

登場者

PwC Japan有限責任監査法人
基礎研究所 所長 パートナー 公認会計士 矢農 理恵子

PwC Japan有限責任監査法人
基礎研究所 副所長 パートナー 公認会計士 山田 善隆


※本稿は、日経ビジネス電子版の記事広告を転載したものです。
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※法人名、役職などは掲載当時のものです。

10年先を見越して、「トラスト」社会の構築に貢献

基礎研究所が長年取り組んでいるもう1つの重要テーマが、SXと「トラスト」との関わりである。

企業が経済価値だけでなく環境・社会価値を追求することが、市民やマーケットから評価されるようになった今日、サステナビリティに関する活動およびその報告は欠かせないものになっている。国際的にサステナビリティ報告に関する法制化が進み、報告に対して第三者保証を義務付ける動きも広がってきている。

そこで課題となるのが、報告すべき活動の範囲だ。

「自社の活動だけでなく、サプライヤーや人的資本などの“上流”、さらには物流や最終消費者などの“下流”まで、バリューチェーン全体がどれだけサステナブルかという点に関心が向けられるようになっています。バリューチェーン全体を俯瞰すると、『トラストギャップ』があちこちに広がっており、それを埋めるための方法が求められているのです」と山田氏は語る。

基礎研究所は、未来の監査業務のあり方として、企業の経済活動だけでなく、環境・社会活動についても、バリューチェーン全体にわたる「トラスト」を形成するための方法を研究しているという。

「バリューチェーン全体にわたる保証を行うためには、保証サービス提供者の適切な連携も必要になります。他のプレーヤーも巻き込んで、サステナビリティ報告に対するトラスト形成のためのエコシステムを形成することも重要な研究テーマの一つです。10年先を見越して、社会の変化の中で発生する空白域を予想し、それらを埋めるための考え方を研究しています」と山田氏は説明する。

他のX(トランスフォーメーション)にも言えることだが、SXとAXには相互に関連し、作用し合う部分もある。例えば、企業が発信するサステナビリティ情報は、AIなどの新しいテクノロジーによって利用価値が高められることも多い。

矢農氏は、「様々なX(トランスフォーメーション)が重なり合うことで、『トラストギャップ』もどんどん増え続けています。10年先を見越して、社会の変化の中で発生する新たなトラストニーズに対応し、『トラスト』社会の構築に貢献するための考え方を追求していきたい。『社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する』というPwCのパーパスに沿って、法人内外のパートナーと共に研究活動を続けていきます」と抱負を語った。

執筆者

矢農 理恵子

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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山田 善隆

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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