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2022-06-02
「最新のITが学べる職場で働きたい」と望んだ時、「コンサルティング会社で働いてみよう」と考える人はどれくらいいるでしょうか。特に就職活動中の学生にとっては、「コンサルティング会社でIT技術を学ぶ」ことはイメージしにくいのかもしれません。今回は少し趣向を変えて、新卒4年目の宮本侑弥とIT業界歴20年超の吉田大吾(アーキテクチャソリューションリード)が、「コンサルティング会社で最新技術をキャッチアップしながら、コンサルタントとしてのバリューを発揮するためにはどのような学び方が必要なのか」をテーマに語り合いました。
登場者
PwCコンサルティング合同会社
テクノロジーコンサルティング ディレクター
吉田大吾
PwCコンサルティング合同会社
テクノロジーコンサルティング シニアアソシエイト
宮本侑弥
※法人名、役職、インタビューの内容などは掲載当時のものです。
(左から)吉田大吾、宮本侑弥
吉田:IT業界は、日進月歩……というより秒単位で新技術やサービスが登場しています。私がIT業界で働きはじめたのは2000年代はじめですが、今とは比較にならないぐらい技術や製品の絶対数が少なかったですね。宮本さんは2018年に新卒でPwCコンサルティングに入社しています。「カオスマップ」などという言葉も作られる程テクノロジーソリューションが乱立する昨今、どのように技術を学び、仕事に活かしているのでしょうか。
宮本:技術を学ぶ時は、教科書的な取り組み方ではなく「最初に感覚をつかみ、その上で体系的に学んで仕事に活かす」というアプローチをとっています。
「感覚をつかむ」とは、「技術の全体像をイメージで理解する」ことです。もう少し詳しく説明すると、まったくもって初めてのネットワークの仕事をした時には、ネットワークとは実際にはどのように構成されているか、インターネット上で動画を見てイメージをつかむことから始めました。インターネット上にはさまざまな情報がありますが、ポイントを絞って検索すると、知りたい情報はだいたい公開されています。そうした情報でイメージをつかみつつ、実機に触れる機会があれば、積極的に触って“感覚”をつかみます。
「体系的に学ぶ」とは、「その技術は何のために存在するのか」「その技術を利用することで、だれが、どのようなメリットを享受できるのか」といった鳥瞰的な視点から、重要なポイントを逃さずに学んでいくことを意味します。具体的には書籍を読み込んだり、PwCコンサルティングに在籍している当該領域に詳しい専門家に質問したりしながら知識を身につけていきます。
吉田:「感覚から入る」とは面白いアプローチですね。
宮本:例えばですが、初めてスノーボードをする時に、ゲレンデで教科書を読む人はいませんよね。まずは、初心者コースで滑って転んで感覚をつかみ、自分ができない部分が分かったら体系的に整理された本を読んだり、上級者に教えてもらったりしてうまくなろうとしますよね。私にとって初めての技術を学ぶことは、初めてのスポーツに挑戦することと同じ感覚なのです。
吉田:「まずはやってみよう」ということですね。日本は海外と比較すると「やってみる」までにすごく時間をかける傾向があると感じていて、私はこの点に対して危機感を抱いています。以前は実機を触るためには金銭面や作業場所に多くの制約がありました。しかし、今はそうした制約も少なくなっていますし、クラウド上には無償で利用できる環境も整っています。本物の技術が目の前にあり、すでにそれを利用している人がいるのですから、触ってみない手はありません。いち早く本物に触れて、実践で活用するイメージをつかむことは重要なことなのではないかと思います。
宮本:私の周辺には、最先端技術が大好きな友人がいて、彼らが試行錯誤をしている傍らで最新のハードやソフトを使って遊ばせてもらっています。テクノロジーを学ぶには“尖ったよい仲間”を持つことも大事だと考えています。
吉田:なかなか恵まれた環境ですね。一人で技術に向き合っていると視野が狭くなったり、分からないことに直面した時にモチベーションの維持が難しかったりして効率的ではないですよね。
では次の質問ですが、数ある中から「どの技術を学ぶか」について、どういう基準で選択していますか。
宮本:私はこれまで大きく分けて2つの技術を学んできています。「仕事上必要になる技術」と「自分自身の興味や関心を満たす技術」です。
仕事で必要な技術を学ぶのは当然として、私は特に後者を重視しています。大学や大学院時代からデータ分析に興味があり、そのトレンドを追究することは、仕事よりも趣味の感覚に近いです。また、最新技術はすぐに試したい性格なので、例えばVRヘッドセットは、友人が持っているものを使わせてもらい、興味関心の欲求を満たしていました。
要するに、「どの技術を学ぶか?」については、自身の興味関心があるかにつきますね。
吉田:分かります。テクノロジーを学び、仕事に活かす時に心がけていることはありますか?
宮本:「感覚をつかむ→体系的に学ぶ→仕事で実践する」という一連のサイクルをできるだけクイックに、たくさん回すことを心がけています。この一連のサイクルを繰り返し経験することで、効率よく実践的なスキルが身につき、仕事でもバリューを出せると考えています。
吉田:以前一緒に仕事をした際、宮本さんは「感覚をつかむ→体系的に学ぶ→仕事で実践する」というサイクルを高速に繰り返して、ものすごいスピードで「学んだことを仕事に活かす」を実践されていましたね。誰に言われるでもなく自発的に学んで、クライアントに価値を提供していて、素晴らしいと思いました。
宮本:自由に仕事をさせてもらい、感謝しています。
PwCコンサルティング合同会社 テクノロジーコンサルティング ディレクター 吉田大吾
宮本:今度は私から質問させてください。吉田さんはIT業界で20年以上のキャリアをお持ちです。その間に技術のはやり廃りをいくつもご覧になっていると思いますが、「将来的に伸びる技術」の見分け方はあるのでしょうか。
吉田:確かに新技術が登場する一方で、廃れていく技術や製品もあります。その中で大切なのは「技術のはやり廃りを見極めること」に加えて、さまざまな技術の核となっている「基礎技術を身につけること」だと考えています。
例えば、特定製品のUI(User Interface)の使い方しか学んでいない人は、製品が変われば「UIの使い方」という表面的な知識はゼロになってしまいます。しかし、UIの裏でどのようなプログラムがどう動いているかという基礎技術を理解していれば、製品やUIが変わったとしても柔軟に対応することができます。
技術を学ぶ時に「表面だけをさらう」のと、「基礎を押さえる」のとでは将来的な応用力がまったく異なってきます。先に「近年は製品や技術の栄枯盛衰が激しい」と言いましたが、本質に目を向ければ至るところで基礎技術が活用され続けています。基礎をしっかり学んで応用力を養っておけば、製品や技術のトレンドが変化しても柔軟に対応できると考えています。
宮本:トレンドの追い方にもコツがあるということですね。
吉田:そのとおりです。例えば、最近はローコード・ノーコードの開発手法が注目されていると思います。これらはGUI(Graphical User Interface)を使ってパッケージ化されたコードの塊を部品のように組み立てていくイメージですが、実際のビジネスで利用できる仕組みに仕上げるにはシステム開発やプログラミングの知識が必要になります。また、ローコード・ノーコードで開発する時でもセキュリティ対策は必要ですから、「どの部品(コード)がどのような役割を果たすのか」といった基本構造を理解していなければ、完成品は穴だらけのアプリやサービスになってしまいます。これでは使い物になりませんので、抑えるべき基本は抑えながら新しい技術を活用して変化に対応していくことが重要、ということですね。
宮本:なるほど。
吉田:新しい技術は時に「手軽に手間が省ける」という意味で非常に有用です。しかし、「システム開発の知識がなくてもアプリケーションやサービスを開発できる」と考えるのは危険だと考えています。便利なソリューションが当たり前で育った若手が基礎技術をどのように学ぶのかは興味がありますし、少し心配している領域でもあります。
宮本:確かに、新しい技術を使う上でも、基礎技術を理解しているか否かは大きな違いがありそうですね。情報過多な現状で「何が重要なのか」を見極めないと、結果としてクライアントへの価値提供ができなくなってしまいますね。新しい技術を学ぶ上でも、基礎技術の習得は大切なポイントだと考えています。
PwCコンサルティング合同会社 テクノロジーコンサルティング シニアアソシエイト 宮本侑弥
吉田:さて、さきほど「自由に仕事をさせてもらっている」という話がありましたが、PwCコンサルティングに入社して、学生時代に抱いていた仕事のイメージと実際の業務との間にギャップはありましたか?
宮本:「理想と現実のギャップ」を感じたことはありませんが、入社して実感したのは「学ぶ機会が多い」ことです。特に、実践的な学びの機会が多いことに驚きました。
吉田:PwCコンサルティングでは実践型の研修に注力しています。例えば私が担当しているアーキテクチャチームでは、シングルボードコンピューターとIoTセンサーデバイスをチームのメンバー全員に配布し、「エッジからクラウドへデータ転送しデータ分析するまで一連のシステム構築をやってみよう」といった研修などを積極的に行っています。
先のスノーボードの例で言えば、知識はあっても一度もゲレンデで滑ったことのない人から教わりたい人はいないでしょう。コンサルタントも同様だと思います。クライアントを支援するためには、単に必要な知識を詰め込むだけでは不十分で、実践力が必要ですね。
宮本:また、語学系の研修も充実していると感じました。最先端の情報は英語でリリースされていることが多いので、技術に触れながら英語の勉強もでき、一石二鳥だと感じています。
吉田:英語と最先端技術は、切っても切れない関係にありますよね。PwCはグローバルなネットワークであることが大きなアドバンテージになっていると思います。PwC Japanグループや私たちが所属するテクノロジーアドバイザリーサービスチームでも、PwCグローバルネットワークの海外法人へ社員を派遣する取り組みを積極的に行っており、多くの最先端技術を海外から取り入れていますね。
宮本:もう1つ、PwCコンサルティングには「能動的に学ぼうとする社員を全力で応援する文化」が根付いていると感じました。会社からの補助対象となる研修も増えていますよね。幅広い選択肢の中から、自分に適した研修を見つけ出して能動的に受ける社員が多い印象があります。
吉田:研修予算は十分確保していますし、申請して必要性を説明すれば、外部の有償トレーニングでも大半は受講できますね。社内研修も、プレゼンテーション研修のようなコンサルティングの基礎研修もあれば、新技術の座学から実機研修まで、第一線で働いているコンサルタントによる研修が幅広く用意されていて、やる気があれば無限にチャレンジできますね。
宮本:最後に、私が仕事をする上で大切にしている姿勢についてお伝えしたいと思います。クライアントや上司に質問する際には、「分かりません。教えてください」ではなく、「この件について、こうだと思うのですが、間違っていますか」などと、自分なりに仮説を立ててから聞くようにしています。
吉田:自身の考えをもってコミュニケーションをとることは、情報をうまく得るということに加え、コンサルタントとしてチームの中で仕事をしていくという観点でも非常に重要ですよね。根本的にスキルとは他者から与えられるものではなく、自分で獲得するものだと思います。とはいえ、日々業務をこなしながら新技術を学び、それを実践的なレベルへと昇華させていくには非常に大きなエネルギーを必要とすることでしょう。これを継続していくには、助け合える「仲間」と本物の技術に触れられる「環境」が必要ですね。
宮本:PwCコンサルティングにはその両方がありますよね。私もその環境を最大限に活用し、チームの皆と共にアグレッシブに学んでいきたいと思います。
吉田:大丈夫、すでに宮本さんは実践していますよ。
(左から)宮本侑弥、吉田大吾
吉田 大吾
パートナー, PwCコンサルティング合同会社
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