オムニバス法案に基づく「CSDDD」の要件の変更と企業が求められる対応について

  • 2025-04-11

2024年6月13日、EUの「コーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令(以下、CSDDD)※1」が欧州議会で採決され、同年7月に発効されました。これにより、一定規模以上のEU域内企業およびEU域外企業に対し、人権および環境へのデューデリジェンスの実施と開示などが義務化されることとなりました。

2024年11月8日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、企業に課せられる規制負担の軽減を求める声を受けて、CSDDD※1、EUタクソノミー※2、CSRD※3、CBAM※4などのサステナビリティ関連規制を簡素化する包括的な提案(オムニバス法案)を提出すると発表しました。

2025年2月26日、欧州委員会は、「オムニバス法案」を公表し、CSDDDに関する修正の提案をしています。主なポイントは以下の3点となります。

  • 適用開始時期の変更
    • 適用開始時期:第一段階の適用企業(2027年7月26日開始予定)の適用開始時期が2028年7月26日へ1年間延期
  • リスク評価の対象範囲が縮小
    • 「自社グループのほか、直接・間接のビジネスパートナー」から「自社グループのほか、原則として、直接のビジネスパートナー」へ
  • 義務違反に対する制裁措置の修正
    • 統一的な民事責任や制裁金の上限に関する規定は、国内法に委ねられた

※1 CSDDDに関する詳細は以下のリンク参照
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/business-and-human-rights/csddd-eu.html
※2 EUタクソノミーに関する詳細は以下のリンク参照
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/journal/eu-taxonomy.html
※3 CSRDに関する詳細は以下のリンク参照
https://www.pwc.com/jp/ja/services/assurance/sustainability/csrd.html
※4 CBAMに関する詳細は以下のリンク参照
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/prmagazine/pwcs-view/202401/48-08.html

CSDDDに対応するための簡易診断サービス※9

PwCはこうした課題に直面する企業に対して、現在取り組んでいる人権および環境デューディリジェンスの現状を把握し、CSDDDの要件に対応するために必要な対策の取り組み状況を評価する簡易診断サービスを提供します。

企業が保有・公開している情報からCSDDDで求められるデューディリジェンスに関連する箇所を特定し、課題や改善点をまとめた簡易診断レポートを作成します。既存の社内文書や開示資料のレビューを通じて診断を行うため、約2〜3週間ほどで迅速な診断が提供可能です。

※9 CSDDD簡易診断サービスに関する詳細は以下のリンク参照
https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/risk-consulting/csddd-assessment.html

インサイト/ニュース

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EUコーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)適用への備え

バリューチェーンにおける人権・環境リスクに対応するためのデューデリジェンス規制が強化されています。本レポートでは、EUのコーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)の日本企業への影響と求められる対応につき、類似の先行するデューデリジェンス規制も踏まえ、解説します。また、2025年2月に公表されたオムニバス法案の影響にも言及しています。

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執筆者

北村 導人

パートナー, PwC弁護士法人

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小松 健太

シニアマネージャー, PwCアドバイザリー合同会社

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北崎 陽三

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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