
移転価格の実務対応解説シリーズ【テーマ別】第4号:移転価格上の無形資産評価業務におけるDCF法適用上の留意点
本シリーズでは、グローバルに展開する日本企業に向けて、移転価格の実務対応についてテーマ別に取り上げ、わかりやすく解説します。第4号となる今回は、無形資産の一般的な評価手法について概観した後で、DCF法の適用に係る各種ガイドラインと、付随する留意点について解説します。
国内外の法制度改正等により、税務申告対応の複雑化・高度化が見込まれています。
企業においては、従前からの法令遵守としての納税申告対応に加え、さまざまなステークホルダーへの税務情報開示など、新たな社会的責務への対応が求められています。
こうした対応に向けて、税務テクノロジーの活用を含めた体制整備や税務人材のリソース確保など、企業の税務部門が早期検討を求められ、経営課題の一部ともなり得る論点について、PwC税理士法人の税務プロフェッショナルが実務観点を踏まえて解説します。
シリーズの第1回は、税務部門担当者による移転価格調整プロセスにおいて、財務会計の評価項目をKPIとした場合に管理不能となるのではないかという懸念、そして、その解決に向けて社内調整をどのように図っていくかという点をテーマに取り上げます。
税務リスクを考慮し、移転価格調整の必要性を税務部門が社内に提言する際、「事業部門や海外子会社側から、税務リスクを理由に仕切価格や営業利益が変動するのはいかがなものか、と反対を受けるケースがある」という声が、特に日系企業の税務部門から聞かれることがあります。
一般的にハイレベル(上級役職者含む)の事業業績評価について「事業連結ベースの損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)項目」が評価基準としてKPI設定されていれば、グループ内での損益調整が業績評価には影響しないため、問題にはなることは想定されません。
ただし、以下の場合を含め、税務および関連リスク管理においては、将来の不確実性に対応することが本来の目的となります。
結果として、例えば業績評価など、税務以外の領域に及ぼす影響については、その影響内容と対処法をセットにして、関係部門と丁寧に情報共有し、対策に向けた相互理解を図っていくことが重要です。
一口に「移転価格調整」とはいえ、以下によって、それぞれ業績評価への影響を中立化することは可能です。
いずれの場合も、必ず「ひと手間」が生じることになるため、それぞれ社内調整すべきプロセスや対話すべき相手先が異なる場合があり得ます。しかし、税務部門においては、将来の税務調査リスク(エクスポージャー)の実現可能性の議論と同時に、かかる「ひと手間」の実質的な負荷レベルを正確に理解した上で検討を行っていくことが、より重要と言えます。
本シリーズでは、グローバルに展開する日本企業に向けて、移転価格の実務対応についてテーマ別に取り上げ、わかりやすく解説します。第4号となる今回は、無形資産の一般的な評価手法について概観した後で、DCF法の適用に係る各種ガイドラインと、付随する留意点について解説します。
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