デジタル領域におけるPPP実現の障壁と、ルワンダに学ぶ突破口

  • 2026-04-27

はじめに

第1回では、民間資本・技術を活用して公共サービスDXを推進するDigital PPP(Public Private Partnership)について、事例を交えながら解説しました。Digital PPPは、先進国と比較して制約やレガシーが少なくDigital Leapfrog*1を進め易い途上国において活用が広がっていますが、実現には依然としてさまざまな難しい側面があります。

そこで第2回では、Digital PPPを実現する上での課題を整理し、ルワンダがこれらの課題をどのように克服しようとしているのかを紹介します。

Digital PPPを実現する上での課題

Digital PPPによって公共サービスDXを推進する際に直面する主な課題として、以下の3点が挙げられます。これらの課題は、デジタル技術を最大限に活用し、PPPを効果的に実現する上での重要なハードルです。

  1. 民間企業が持つリソースの不足
    途上国における課題の一つに、成熟した民間企業が少ないため、公共サービスを支えるための大規模なデータベースやプラットフォームを、単独企業が個別で整備することが困難であるという状況があります。したがって、民間企業が持つ技術力を最大限にレバレッジ可能な環境を、公共財・準公共財として整備することが求められます。
  2. 行政の予算・計画主義とアジャイルアプローチの隔たり
    行政のプロジェクトでは通常、定められた予算・計画に則った進行が厳格に求められます。これに対して、特にイノベーションを企図するデジタルサービスの開発で用いられるアジャイルアプローチでは、計画よりも実際に提供する価値を重視し、変化に柔軟に適応しながらプロジェクトを進めます。このようなアジャイルアプローチを、適切に行政のプロジェクトや公共調達の枠組みに取り込むことが求められます。
  3. 厳しい入札基準
    公共サービスに関わる入札基準は、途上国においても先進国同様、一般的に非常に厳格に設定されます。このため、主に資金力や実績のある大企業しか応札できず、途上国内スタートアップに門戸が開かれないことで、国内産業の厚みが形成されないという状況が継続してしまうというジレンマに陥ります。そこで、特に途上国においては、Digital Leapfrogのカギとなる革新的な技術やアイデアを持つスタートアップが参加できる仕組みづくりが求められます。

おわりに

第2回では、Digital PPPを実現する上での課題を整理し、ルワンダではデジタル公共インフラと新たな公共調達法であるPPIを通じて、課題の克服に挑戦していることを解説しました。Digital PPPは、途上国における公共サービスDXを推進する手段にとどまりません。次回は、国際連携を通じて、先進国にも影響を与える可能性について論じます。

*1: Leapfrog = 開発途上国が、従来の技術インフラを段階的に整備する中間プロセスを飛ばして最新のデジタル技術を導入することで、蛙の跳躍のように技術レベルが進展すること。

*2: RFP(Request for Proposal, 提案依頼書)=システム導入の際に、発注者が必要な要件や実現したい業務などを示す書類

*3: スクラムフレームワーク=少人数のチームを組み、短期間で開発サイクルを繰り返し行う開発手法

主要メンバー

岡村 周実

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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川埜 裕介

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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