米国「U.S. Cyber Trust Mark」概説-消費者向けIoT製品のセキュリティ認証制度と、企業に求められる要件

  • 2026-01-23

米国市場における消費者向けIoT製品のセキュリティ認証制度である「U.S. Cyber Trust Mark(USCTM)」に関しては、技術基準と試験手順、ラベルデザイン、市販後調査について推奨事項の最終ドラフトが2025年6月18日付けで米国連邦通信委員会(FCC)の公式サイトにて公開1されています。本稿ではこれら公開文書に基づくUSCTMプログラムの目的、要件、市販後調査の他、日本のJC-STAR制度との関係性についても解説します。なお本稿は、2026年1月時点における最終ドラフトに基づくものであり、今後変更される可能性がある点に留意ください。

1. USCTMの目的と概要

近年、家庭や個人向けのIoT機器の普及に伴い、そのセキュリティリスクが深刻化し、消費者のプライバシー保護や国家安全保障への懸念が高まっています。この背景を踏まえ、米国FCCは2024年3月に「モノのインターネット向けサイバーセキュリティ表示に関する報告書及び命令(IoT表示命令)」を発出しました。これに呼応してU.S. Cyber Trust Mark(USCTM)プログラムが設立され、消費者向けIoT製品のセキュリティ準拠を認証し、安全な製品選択を促進する任意参加型制度の構築へとつながりました。
USCTMの目的は、消費者市場において安全で信頼性の高いIoT製品を提供し、ユーザー保護と国家安全保障に寄与することです。製品単体だけでなく、連携アプリケーション(モバイルアプリ等)やクラウドバックエンドも含む製品エコシステム全体の安全性を評価・認証対象とし、透明性の高い安全基準の提供と市場での信頼向上を目指しています。

5. まとめ

USCTMは、米国市場の消費者向けIoT製品に対して透明性と高いセキュリティ水準を提供し、消費者の安全性向上と市場信頼を促進する任意参加型の認証プログラムです。米国国立標準技術研究所(NIST)が公表する「NIST IR 8425」に沿った技術的要件と、包括的な評価手順を定めることにより、多層的な攻撃防御を実現しています。また、認証後も5年ごとの更新と厳格な市販後監視を義務付けており、市場における製品の継続的な安全性確保に努めています。
日本のJC-STAR制度との関係は強固で、基準間の整合性が高く、国内外でのIoTセキュリティ強化に向けたグローバルな枠組み形成の一環として寄与しています。こうした両制度の相互理解と協調は、企業にとって効率的な認証取得を可能にするだけでなく、継続的なセキュリティ管理を促進します。
以上から、米国市場に参入する消費者向けIoT製品の製造者にとって、USCTMは戦略上重要な認証制度であり、製品セキュリティの基準遵守と市場競争力確保の必須要素と位置付けられています。

執筆者

奥山 謙

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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和栗 直英

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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