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2022-09-12
現在、多くの消費者はインターネット上で提供される何らかの企業サービスを利用しながら日々の生活を送っています。
しかし、そうしたサービスの利用を開始する際、サービス利用上必須のためやむを得ず入力フォームの指示に従い氏名や住所等の個人情報を登録するものの、どのように個人情報が扱われるか分からないことに抵抗を感じる場合もあるのではないでしょうか。
その抵抗感が生まれる理由として、企業にプライバシーを侵害されたり、預けた大切な情報がサービスの設計・運用不備により意図せず外部に漏洩してしまったりする懸念もあり、不安が払拭できないことが挙げられます。
一方でサービス提供者側にとっても、消費者から得られた情報単体ではそれが真実なのか判断することが難しいという問題があります。
これら情報のやりとりにおいて消費者・企業側双方が抱える懸念について、政府が内閣官房デジタル市場競争本部に設置した「Trusted Web推進協議会」※1では図1のように3点定義しており、懸念解消のカギとなるのはTrustであるとまとめています。
出典:「Trusted Web ホワイトペーパーver2.0概要」※2を基にPwC作成
また、非営利の国際標準化団体である「W3C」が標準化を進める「Decentralized Identifiers(DID)」※3や「Verifiable Credentials(VC)」※4といった新しいデータモデルにおいてもプライバシー保護を1つのユースケースにしており、現在注目されている領域であると言えます。
では、具体的にどのように情報が管理されると、信頼が醸成されると言えるのでしょうか。本稿では信頼醸成に必要な情報管理の3要素について示します。
前節でまとめた懸念を解消するには、秘匿性を確保した上で透明性の高い情報管理・運用を求めたい消費者と、消費者から得る情報の真正性を検証したい企業それぞれの要求を満たし、信頼に基づくコミュニケーションを実現する必要があります。
そのためには、図2に示す「(1)選択的な情報開示」「(2)真実であることの検証可能性」「(3)同意管理およびその履行のトレース」という3つの要素が必要となります。
先進的な組織ではこれら3つの要素の研究・実装が進んでいます。本連載の次回のコラムでは、1つ目の要素である「(1)選択的な情報開示」についてユースケースを用いて解説します。
本稿では、現代の情報のやりとりにおいて消費者・企業側双方が抱える懸念とその解消に必要な情報管理の3要素についてまとめました。
本連載の次回以降は、個々の要素についてユースケースをもとに得られるメリット、推進する上での課題について考察します。
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