{{item.title}}
{{item.text}}
{{item.text}}
2021-03-31
PwCあらた有限責任監査法人(PwCあらた)は、「デジタル社会に信頼を築くリーディングファーム」となることをビジョンとして掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と個々のデジタルスキル向上に取り組んでいます。
ここでは私たちの監査業務変革の取り組みや、デジタル化の成功事例や失敗を通じて得た知見を紹介します。これからデジタル化に取り組まれる企業やDX推進に行き詰まっている企業の課題解決にお役立ていただければ幸いです。
※法人名、部門名、役職、コラムの内容などは掲載当時のものです。
昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、リモートワークの導入やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進など、持続可能な企業の在り方について考える機会が増えたのではないでしょうか。内閣府が全省庁に行政手続上の押印を原則廃止にする要請を出したことからも、社会全体で書面・対面主義を見直し、環境の変化にしなやかに対応できるような社会の実現に向けて動き出したことが見て取れます。
PwCあらたは、リモートワークを継続しています。出社が必要となる文書への押印を無くすため電子契約を導入するなど、書面や対面を必要としない、テクノロジーを前提とした業務の構築を進めています。このような業務のデジタル化を進める企業は少なくなく、今後さらに加速度を増すことが予想されます。そこで今回は、監査人の視点から、業務のデジタル化における留意点について、電子署名やワークフローシステムを利用した承認・記録という行為に焦点を当ててご紹介します。
DX推進の施策として、電子署名を思い浮かべる人は多いかもしれません。電子署名とは、公開鍵暗号技術を利用した署名方式で、電子文書に電子的な署名を埋め込む技術のことを言います。電子署名により、①誰が署名したのか、②内容は署名時から変更(改ざん)されていないか、を確かめられます。この技術を電子上で取り交わされる契約書に用いると、従来の押印を代替することが可能となるだけでなく、組織における意思決定の承認記録として活用することもできます。この技術を応用することで、これまで印鑑によって一定程度担保し得ていた承認記録の信頼性を、電子的に得ることが可能となります。
また、情報の信頼性は監査における重要な検討事項であり、情報の作成や管理に関連する内部統制が有効に機能することで担保されます。内部統制の有効性の検討では、電子署名を用いた証憑を用いる業務処理統制*1に限らず全般統制*2の評価も含めた検討が必要となることから、電子署名を導入する目的に照らし合わせつつ、業務フローに与える影響や電子署名の運用方法について、十分に関係部門と協議することが求められます。
複数人が関与する業務をあらかじめ決められた手順に従い処理する場合、この一連の業務の流れをワークフローと言います。今日では、申請・承認・決済というワークフローをワークフローシステム上で行うケースが多く存在します。ワークフローシステムとは、業務手続を電子化し、システム的な制御のもと効率的かつ明示的に承認および回覧するシステムです。
ワークフローシステムのメリットとして、本人認証がシステム機能として実現されていること、やり取りや承認の記録をシステム上で一元管理できることなど、フローや承認者定義がシステム上で設定されるため、設定に誤りや変更がなければ反復的かつ確実に必要な承認行為が記録されることが挙げられます。
ただし、導入にあたっては、前述の電子署名と同様、情報の信頼性を担保するため、承認者や承認フローの妥当性、設定などが変更できる権限についての管理、職務分掌の実現などについて検討を行う必要があります。また、ワークフローシステムは会計システムや基幹システムと連携することから、これらの機能性も含めた検討や内部統制評価が必要となる可能性があります。
後編では、実際に導入するにあたってどのような事項を検討すればよいのか、主に承認者のアクセス管理の観点から考察します。
*1:業務処理統制は、取引やその他の財務情報の開始から記録、処理、報告に至るまでの手続に関係し、発生した取引が承認され、網羅的かつ正確に記録・処理されることを担保するものです。
*2:全般統制は、多くのアプリケーションに関係する方針及び手続であり、業務処理統制が有効に機能することを支えるものです。
須田 真由
ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人
{{item.text}}
{{item.text}}
{{item.text}}
{{item.text}}