金融機関のリスク管理、コンプライアンス、内部監査、事務・IT基盤等の非競争領域における業務共同化支援サービス

近年、金融機関を取り巻く規制やリスク対応は、高度化、複雑化、多様化しており、ガバナンス体制の強化が急務です。特に、2線(リスク管理機能)や3線(内部監査機能)のガバナンスは、金融機関の健全運営を支える上で重要ですが、依然として属人的管理に依拠しているケースが多いことが課題です。本サービスは、2線・3線を含む非競争領域における業務の共同化を支援し、金融機関における属人化からの脱却、ナレッジの形式知化、生産性やガバナンスの質の向上、コア業務へのリソース集中の実現に寄与します。

金融機関における2線・3線ガバナンスや事務・IT基盤整備等の課題

金融機関における2線・3線のガバナンスや事務・IT基盤整備には以下のような課題が多く見られます。

  • 規制・ガイドラインの更新が多く、対応が後追いになりやすい

  • 2線・3線の運用が担当者の経験(暗黙知)に依存し、引継ぎリスクが大きい

  • ナレッジが部門内に散在し、文書・判断基準・事例検索に時間がかかる

  • 管理業務が膨らみ、コア業務への人員配置が難しい

  • 事務やIT基盤の整備不足に課題があり、コスト削減が進まない

  • 事務やIT基盤改善に向けた対応の優先順位付けやロードマップ策定が不十分

なぜ今、2線・3線の業務共同化が求められるのか

金融業界では多種多様かつ高度な法令や規制に対するコンプライアンスが求められますが、これらは単なる法令遵守を超え、リスク管理や内部統制等、多角的な観点での高度な対応力が必要です。加えて、地政学的リスクやIT・AI等の技術革新、グローバルな競争環境の変化等に応じて、日々新たな規制やガイドラインが継続的に策定されています。こうした状況下では、担当者の属人知(暗黙知)に基づいたガバナンスは、担当者の異動や退職に伴いナレッジが失われるばかりでなく、情報が陳腐化するリスクが慢性的に高く、管理体制として限界を超えつつあります。

このような背景から、金融機関は属人的管理からの脱却を図り、全社的かつ持続可能なガバナンス体制の構築に迫られています。属人知を形式知化し、共有可能なナレッジとして組織内に資産化することが必須であり、これがサステナブルなガバナンス実現の基盤となります。

共同化支援イメージ

金融機関の2線・3線業務の共同化で実現できること

金融機関の2線・3線を中心とした非競争領域の業務を共同化することで、以下の実現につながります。

外部知見の活用によるガバナンスの持続可能性向上

属人的管理の課題を解決し、最新の知識を維持するために有効な方法の一つとして、外部知見の活用があります。外部専門家の知見は、日々複雑化する規制環境に対応する上で、最新かつ高水準の情報やノウハウを安定的に調達し得る重要なリソースとなります。外部からの知見の活用により、自己完結的な対応に向けたリソース不足や既存メンバーの持つ知見の陳腐化等に対処でき、ガバナンスの持続的改善が可能になります。

外部知見の活用は、単に知識を借りるだけでなく、金融機関の個別事情やリスク特性、組織知(業務ルールや文化、暗黙知)と掛け合わせて検討することで、実効性の高い2線・3線機能を実現できます。すなわち、最新の一般知を土台にしつつ金融機関の個別性を組み合わせることで、各金融機関が独自の最適なガバナンス体制を整備することが可能となります。

デジタル活用によるナレッジマネジメントの推進

こうした属人知から形式知への転換と外部知見の継続的な導入を効果的、効率的に行うためには、デジタル技術の活用が欠かせません。ナレッジマネジメントシステムを導入し、文書やルール、事例、判断基準などを共有可能な形態で蓄積するとともに、AIやデータ分析技術を活用してナレッジの検索性や活用頻度を高めることが有効です。デジタル化によって、組織的な知識資産の形成と継承が容易となり、同時に新たな知見や規制変更に柔軟に対応可能な体制を構築できます。

また、デジタルプラットフォームを通じて2線・3線間でのナレッジ共有や共同対応を推進すれば、リソースの集約と標準化が進み、コスト削減や生産性向上にも寄与します。

なお、こうしたデジタルの活用は、2線・3線のガバナンス強化の観点で有効であると同時に、基盤領域(システム、データ、人材等)の効率的な整備にもつながります。

コア業務へのリソース充当

金融機関単独で高度化・複雑化するガバナンス課題を抱え続けることは、効率的とは言えません。共同化により共通課題への対応ナレッジを共有し、外部リソースも共通利用することで、個別機関ごとの重複投資や属人依存を低減できます。これにより、各金融機関はコア業務へのリソース集中が可能となり、生産性が向上します。

特に金融業は規制業種であるため管理項目の多くが共通しており、業界として共同化に取り組みやすい側面があります。金融機関間でスキルや知見、ノウハウを共有する連携を進めることは、業界全体のガバナンス水準を底上げすると同時に、業界全体のリソースの有効活用やガバナンスコストの削減に寄与します。

こうした背景から、金融機関間の2線・3線ガバナンスを含む非競争領域での業務の共同化推進により、これまで以上に金融機関本来の業務にリソースを優先充当することが可能となります。

PwCの支援

本サービスでは、複数の金融機関間での業務の共同化を、戦略・診断から企画運営、実装・運用までエンドツーエンドで支援します。

  1. 共同化の戦略検討・初期診断
    • 共同化対象領域の整理(2線・3線・事務・基盤/非競争領域)
    • 現状課題の棚卸し(属人化、運用品質、ナレッジ分散、高コスト 等)
    • 共同化スコープ案/期待効果/実現シナリオの策定
  2. 共同化の企画・運営支援
    • ガバナンス/意思決定/運営体制設計(推進態勢、規程、役割分担 等)
    • 共通プロセス・基準(標準)設計/標準化検討、合意形成支援
    • 外部知見の取り込み方針(更新・レビュー・展開)設計
  3. インプリメンテーション(業務設計〜運用定着)
    • 業務設計(プロセス、手順、成果物、品質管理)
    • 体制構築(役割、スキル、人材配置、教育)
    • 運用定着(KPI、モニタリング、継続改善サイクル)
    • ナレッジ基盤・アクセス向上に向けたデジタル活用支援

PwCの強み

PwC Japan有限責任監査法人は以下のような強みを生かし、効果的な支援を提供します。

  • 都市銀行・地方銀行の出身者、金融庁勤務経験者などの金融サービスの専門性を有する人材
  • 当局・業界団体とのリレーションシップを有する人材
  • マネーローンダリング、サイバーセキュリティ、サードパーティリスク等の非財務リスクの専門性を有する人材
  • デジタル社会に必要なデジタルリテラシーを有し、かつ時代に合わせてリテラシーをアップデートできる人材、また、それを支えるテクノロジー基盤、AIガバナンスに関する最先端の知見を有する人材
  • 共同化案件の支援実績

主要メンバー

木下 敬規

ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人

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