産官学連携で社会課題の解決に挑むPwCコンサルティングのTechnology Laboratoryで、医療分野に携わるチームメンバーが、組織風土や働き方、成長の仕組みなど、現場で感じるリアルな声を紹介します。
(左から)齋藤望、江木淳、吉田杏奈
登場者
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー
吉田杏奈
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー
江木淳
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー
齋藤望
※役職などは掲載当時のものです。
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー 江木 淳
江木:
Technology Laboratoryは、技術を起点に社会課題の解決を支援するチームです。私たちはその中の医療系ケイパビリティは、医療分野における企画から実装までを横断的に取り組んでいます。
今回、同席している吉田は脳科学の産業応用に長年携わっており、「脳科学をどう社会実装するか」「どうウェルビーイングにつなげていくか」という支援をしています。私と齋藤は、CTOマネジメントとして企業のCTOの方々向けの支援サービスを中心に携わっています。
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー 齋藤望
齋藤:
大学教職員の立場で薬学博士の研究に従事した後、数社のコンサルティングファームを経て、PwCコンサルティングに入社しました。
大学での研究開発を通じ、日本には優れた研究成果や研究の種がある一方で、それらを産業に生かすのが強くない側面があることに気づきました。そうした素晴らしい研究の種を社会に送り出すことに興味を持つようになり、コンサルティングファームに転職しました。その後、戦略コンサルティングや特許分析のコンサルティングに携わったことで、知財データを生かした分析の面白さに目覚め、先端テクノロジー領域に強みを持つPwCコンサルティングに入社しました。現在は、知財・投資などのデータ分析を活用したコンサルティングに携わっています。
当時、大学の教職員がコンサルティングファームに転職するケースは多くなかったのですが、最近になって徐々に増えてきたように感じます。特にPwCコンサルティングでは、私と同じようなバックグラウンドを持つメンバーが増えています。産官学の連携を強みとしている組織だからこそ、「学」の経験を持つ人材が専門領域をつなぐ「通訳者」として活躍できる現場になっています。
吉田:
私は大学院で脳科学や先端的なテクノロジーを勉強する中で、「それらをどう使って、社会のニーズに応えていくか」という手段に興味を持つようになりました。
テクノロジーを使って価値を提供したいと考え、コンサルティングファームに入社して3年ほど勤めた後に、PwCコンサルティングに転職し、現在5年ほど在籍しています。
今は、大学院での知見を生かし、脳を起点とした新しいテクノロジーを支援しています。最近では、先端テクノロジーの産学連携支援を専門領域として、脳以外のテクノロジーの支援に携わることも多くなってきました。先端分野でのコンサルティングとなると、ロボティクスなどの他の分野と連携することも多く、あらゆる分野に取り組んでいます。
江木:
私は新卒で化学メーカーに入社して、8年ほど医薬品の創薬研究に従事しました。リード化合物を創出し、特許出願を実現するという創薬研究者としては目に見える成果を達成できたことを契機に、力試しとしてコンサルティングファームへの転職を考えるようになりました。
化学メーカーでは創薬研究に加えて先行研究や特許の分析を通して、新たな研究テーマの探索や、他社の動向調査を実施していたので、これらの経験をコンサルティングファームでも生かしたいと思いました。
その後、日系のコンサルティングファームなどを経て、2024年にPwCコンサルティングに入社しました。コンサルタントに転身した当初は、業界未経験ということで苦労したこともありましたが、研究職での経験と特許分析スキルの部分は武器になると確信していましたし、コンサルティング業務に十分に活用できたという手応えを感じています。
PwCコンサルティング合同会社 マネージャー 吉田杏奈
吉田:
PwCコンサルティングは、コラボレーションが盛んなコンサルティングファームだと感じています。その土台として、「どれぐらいコラボレーションしたか」によって評価が変わる仕組みがあるという背景があります。また、コンサルティングファームに所属するメンバーはエッジの効いた人が多いため、個人技で勝負という印象があるかもしれません。しかし、PwCコンサルティングは各コンサルタントに適度にエッジが立ってはいるものの、どちらかというと集団で勝負していく印象が強いと思います。
1つのプロジェクトでも3つから4つの部署が連携して取り組むことがよくあるのですが、他部署のメンバーにチャットで質問をしてもすぐに返信があります。人当たりの良いメンバーが多く、「みんなで協力して、クライアントの課題を解決しよう」というスタンスなのが、私の好きなところです。
江木:
Technology Laboratoryの印象は、より現場に寄り添った形で支援する機会が多いのが特長だと思います。
技術職や研究職のバックグラウンドを持つコンサルタントが多く、メンバー全員が「現場感を熟知している」ということが影響しているからだと思います。一般的なコンサルティングファームの経験のみでは、この「現場感」を知ることは難しいのが実情です。
例えば、「実際に医療現場を経験して、法規制について分かっている」あるいは「実際に患者の診療経験があり、メディカルなニーズを理解している」など、現場を知っているコンサルタントの発言には説得力があります。
入社当初は研究の部門と1対1のやり取りに限定されると思っていたのですが、決してそんなことはありません。事業会社の経営者向けの支援から、金融機関や産官学との連携まで、さまざまなステークホルダーが関与する中で、社会実装を進めています。そういった観点でも、技術の社会実装を目指す方にとって、Technology Laboratoryはより実現しやすい環境であると思います。
齋藤:
エコシステムを作ることに注力し、そこに強みを持つのがTechnology Laboratoryだと感じています。単に特定の事業のことだけを考えれば良いわけではなく、その事業が独り立ちして成功していくために、どのようなプレーヤーを巻き込んで、どのような座組を作っていくべきなのか、そういった領域全体の将来構想まで考える必要があります。クライアントの事業を長期的な成功に導くためには、業界全体が盛り上がっていかなければなりません。そこまで見据えてより広い目線で考えていく必要があるということですね。
(左から)齋藤望、吉田杏奈
江木:
営業・提案活動全般の話になりますが、最近は社内のヘルスケアチームと連携し、製薬企業にTechnology Laboratoryのソリューションを活用した技術戦略を提案する機会が増えています。
その提案において、PwCのIntelligent Business Analytics(特許・投資などのデータを分析するツール)や論文分析ツールなどを活用して、クライアントが興味のある領域の分析結果を整理して、提示することがあります。
直接的に、プロジェクトにつながらないこともあるのですが、クライアントとの関係性を築く大切な機会であり、ディスカッションによってクライアントのニーズを確認していく仕事の一つだと感じています。
特に印象的だったのは、ある製薬会社とのディスカッションです。世間的にニーズが高まっている、医療品ではない別領域のデータも含めて提示したことがあったのですが、偶然にもクライアントがその領域の研究開発を検討していたため、とても興味を持たれたことがありました。
私自身が研究分野の出身ということもあって、研究者ならではの視点で説明したことで、より興味を持っていただけたと思います。
齋藤:
クライアントと会話する中で、近年「世の中で注目を集めているテクノロジー」×「創薬」のテーマに注目度が高まっているのを実感しています。
Technology Laboratoryでは「現在重要な8つのテクノロジー」「10年から15年後に社会にインパクトをもたらす4つの革新的テクノロジー」「Society 5.0を支える2つのテクノロジー」と時間軸に分けて3つのテクノロジー領域を定義していますが、こういったテクノロジーと創薬の組み合わせへの関心が強まっているのを肌で感じています。たとえば、生成AIや量子コンピューティングです。
創薬と先端テクノロジーを組み合わせることの重要性は理解しつつも、具体的にそれをどのように進めるべきか苦慮しているクライアントも少なくありません。Technology Laboratoryの先端テクノロジー領域の知見が生かされる部分だと考えています。
また、他社の動向や保有技術、それぞれの強みの把握が難しいなかで、他社の事例に加えて特許や投資のデータに基づき客観的に分析することで、分かりやすく説得力を持ってお伝えできるかと思います。
吉田:
脳科学の知見を生かす場面としては、やはりヘルスケア領域に近いプロジェクトが多いですね。具体的には、認知症の予防やウェルビーイングの向上に、脳科学のテクノロジーがどう活用できるのか、といったテーマです。
例えば、日本の国家プロジェクトとして、脳の健康状態を測定する指標が開発されています。通常、その指標はMRIを用いて算出されるのですが、それだと利用頻度を高めることが難しいのが課題です。そこで、より手軽に脳の健康状態を測れるツールを開発できないかといった相談や提案の機会が増えています。実際、私たちも表情や睡眠から脳の健康状態を測定するツールの研究開発を支援しています。
また、研究開発するだけではなく、そのツールをどうやってサービスとして広めていくのかということも、私たちは考えていくことになります。
具体的には、「自治体向けの住民の認知症予防の取り組み」や「企業の従業員のウェルビーイングの一環」といった活用シーンの提案から定着の仕組みづくりまで、ツールの展開や販売を支援しています。
(左から)江木淳、齋藤望、吉田杏奈
江木:
Technology Laboratoryでは、技術を起点として考えていくので、技術と研究が好きであることが前提になるかと思います。技術が好きだからこそ、多様なアイデアが生まれ、クライアントと一緒に苦労を重ねながらも、一歩ずつ進めることで、やり遂げられると確信しています。
また、クライアントと合意形成をしてプロジェクトを進める上で、コンサルタントが「現場を知っているか」は非常に重要ですし、「現場感」を後から身につけるのは難しいでしょう。逆にそれ以外のコンサルタントとしてのスキルについては、研修などで十分にスキルアップできます。
齋藤:
専門性を高められる「芯の強さ」と、新しい技術に果敢に挑戦する「柔軟性」が求められます。Technology Laboratoryでは多くの技術と出会えるので、専門性を磨けますが、自ら向上させていく姿勢は欠かせません。また、変化の速い時代において、新しいものを貪欲に取り入れられる方が向いていると思います。
吉田:
必ずしも専門性を身に付けてからTechnology Laboratoryに入る必要はありませんが、先端テクノロジーに常日頃から興味関心を持つことは非常に重要です。
望ましい未来を作っていくことは挑戦が伴いますが、Technology Laboratoryには頼れる仲間や情熱あふれる先導者がいますので、楽しみながら取り組むことができます。多くの失敗もありますが、それでも挫けず、何度も粘り強く取り組んでいける方であれば、私たちの組織にもマッチできると思います。