デジタル経済課税第1の柱導入に伴う移転価格対応

経済協力開発機構(OECD)のBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)行動計画1「デジタル経済の課税上の課題への対処」に対し、多国籍企業が事業を行う場所において公平な税負担を確保するため、デジタル経済課税に係る2つの柱の解決案が検討されることになっています。BEPS包摂的枠組は2020年10月12日、デジタル経済課税に係る第1の柱および第2の柱の青写真に係る報告書を公表しました。

そのうち第1の柱には、多国籍企業の市場国への新たな課税権の配分(利益A)や、市場国での販売活動などに係る移転価格ルールの定式化(利益B)という概念が導入されました。利益Aと利益Bのイメージと対象企業グループは以下のとおりです。

各国は第1の柱について2022年中に多国間条約を締結し、2023年に発効することを目指すこととしていました。しかし2023年7月のOECDの発表によれば、第1の柱の作業スケジュールは後ろ倒しに改訂され、多国間条約については2023年中の署名式開催を目標に条約テキストおよび解説書の作成が進められているとのことで、2025年の発効を目指すこととなりました。

第1の柱の発効を見据えては、多国籍企業の市場国への利益配分や、限定的または定常的な機能やリスクのみを有する販売子会社に係る移転価格ポリシーを見直すことが必要です。

PwC税理士法人は、最新情報の共有から、初期的な影響の検討、必要な対応の提案まで、デジタル経済課税に係る第1の柱の導入に向けて包括的なサポートを提供します。

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