Technology and Operational Resilience(テクノロジー・アンド・オペレーショナル・レジリエンス)

企業活動継続の鍵となるレジリエンス

レジリエンス(Resilience)とは、変化する状況に備えて適応し、業務中断に耐え、迅速に対応する能力のことを指します。現代の企業は、製品やサービスを提供する顧客、原材料調達・業務委託などのサプライチェーンが多種多様であり、ひとたび企業活動が中断すると、その影響がサプライチェーンや社会全体に急速に広がる傾向があります。企業には「想定外」のリスクに対して戦略的に備え、たとえ業務中断が発生しても迅速に回復を図り、企業活動を継続することが求められています。

PwCは、現代のデジタル化された業務オペレーションを前提とし、ステークホルダーと連携した対策整備を通じて、レジリエンス構築を支援します。

図表1:エンタープライズ・レジリエンス・プラットフォーム

オールハザード型レジリエンスの必要性

従来、日本企業の多くは「地震」「火災」など、発生する事象別に対応策を整備してきました。しかしこのアプローチでは、想定外の事象が発生した時に思考停止に陥り、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)が適切に機能しないという事態に直面することがありました。実際には、事前の想定と全く同じ現象が発生する可能性は限りなくゼロに近いため、どれだけ柔軟に対応できるかが事業継続の鍵を握ります。近年では経団連が企業に対してオールハザード型BCPへの転換を呼びかけるなど、日本国内でもこうした考えが浸透しつつあります。

PwCは、業務中断リスクの原因となる自然災害等の発生事象に対して過度に焦点を当てるのではなく、自社のリソース(人的リソース、ITシステムなど)やステークホルダー(顧客、業務委託先など)への影響に着目して対策を導き出すアプローチにより、オールハザード型レジリエンスの構築を支援します。

図表2:発生事象別BCPの課題とオールハザード型レジリエンスの利点

PwCが提供するソリューション

テクノロジーとオペレーションを中心に据え、以下の3つのフェーズでオールハザード型レジリエンスの構築を支援します。

図表3:Technology and Operational Resilience(テクノロジー・アンド・オペレーショナル・レジリエンスプロジェクト)の標準的な流れ


(1)現状分析/リソースおよびステークホルダーの関係性の整理

Phase1では、レジリエンスを強化すべきスコープを決定し、当該事業環境の概況を把握した上で、レジリエンスの現状を分析します。まず、企業が保有するBCP関連の既存文書のレビュー、各種業務リソースの棚卸、システム構成・データフローの確認、外部ステークホルダー・サプライチェーン等の関係性整理などを進めます。そのうえで、各部門の業務の現状と業務中断による影響度合いを把握するため、BIA Questionnaire(事業影響度分析)を用いて、業務プロセス横断でのスコアリングおよび可視化を行います。さらに、Dependency Scoring(依存度スコアリング)を実施し、現時点で各部門の業務がどの程度社内の他業務あるいは外部リソースに依存しているのかを評価および可視化することができます。

(2)レジリエンス戦略の策定/業務継続対策の検討・適用

Phase2では、レジリエンス戦略を策定します。インシデント発生時の最大許容停止期間、目標復旧時間を決定し、Phase1の分析結果に応じた各種リソースの確保・冗長化を図ります。また、IT・ネットワーク・データ等のレジリエンス対策強化、サイバーセキュリティの見直し、拠点配置の適正化・見直し、サプライチェーン・業務委託等の複線化などを進めます。自然災害など特定のリスク原因に特化せず、業務中断が引き起こされた場合の影響を人員・施設・ITシステムといった企業のリソースに着目して分析し、インシデント発生時の暫定対応、業務復旧、業務プロセス切替等に関わる「プレイブック」と呼ばれる文書を策定します。さらに、リスクファイナンス手配、対外的情報発信の基準・プロセス構築等も合わせて検討します。

(3)運用・評価・見直し

Phase3では、レジリエンス戦略の定着化および継続的な改善を図ります。プレイブックの手順が実際に効果を発揮するためには、さまざまな部門で、(通常ではなかなか起こり得ないシナリオを含む)究極的なシナリオを詳細に策定して定期的に演習することが有用です。演習を通じ、関係者がプレイブックに習熟するとともに、演習実施によって明らかとなった課題をプレイブックの改善策へとつなげることでより実用性の高い対策が可能となり、レジリエンスがさらに向上します。


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主要メンバー

山崎 幸一

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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山本 直樹

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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若井 潔

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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