AI・IoT・Robotics活用による倉庫内物流高度化のための戦略的提携支援

電子商取引(EC)が拡大し、配送の小口化や多頻度化が進んでいます。一方、労働人口の減少に伴い、物流分野では人材の需要過多が続いており、今後さらに拡大する見込みです。この潮流に乗り、物流倉庫内業務の省人化や自動化のニーズは高まり、その自動化を促進する「マテハン機器」市場が隆盛を迎えています。

また、近年はロボティクスを活用したパレタイズ・デパレタイズ・ピースピッキングなどの自動化も進展しつつあります。物流倉庫内の業務の自動化に寄与する機器のラインナップは、年々拡充しています。

従来はマテハン機器メーカーや3PL事業者が中心となり全体を設計

物流倉庫内の自動化を進める上でカギとなるのは、各工程および工程間に配置した各機器の能力と人手のパフォーマンスをバランスさせ、スループットの最大化を実現する全体設計であるといえます。

その全体設計を担う人材は、従来大手マテハン機器メーカーや3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業者に多く在籍している傾向にあります。現在、物流倉庫の新設・更新に際しては、当該企業が主幹として依頼元の要望を確認し、マテハン機器・システム・建屋・オペレーターなどをインテグレートし、全体設計を行っているケースが多く見られます。

AI・IoT・Roboticsなどの進展や大型物流センター台頭による業界構造の変容

他方で、近年は以下のとおり、AI・IoT・Roboticsおよびマルチテナント大型物流センター関連プレイヤーの台頭が見られます。中長期的な視点より俯瞰した際、以下のポイントを抑えたプレイヤーが全体設計を担っていくことが予想されます。

1.ピースピッキングを自動化するロボティクス

ロボティクス物流倉庫内で最も人手と稼働を費やしているピースピッキング業務について、一部企業ではロボティクス活用による自動化に着手しています。この画期的なロボティクス活用が全体設計の大前提となった際、当ロボティクスの能力に合わせて、各工程および工程間の各機器の能力や配置レイアウト、オペレーターの人数などを定義することになります。

将来、ロボティクスの能力を把握したロボティクス関連プレイヤーが、全体設計の主導権を握る可能性があります。

2.好立地かつ拡張性・柔軟性の高いマルチテナント大型物流センター

国内外の不動産事業者が、好立地かつ拡張性・柔軟性の高いマルチテナント大型物流センターを展開しています。当該物流センターの利用が全体設計の大前提となった際、物流センターの規格や規制、および不動産事業者が提携する3PL・システム・マテハン機器・ロボティクス事業者巻き込みなどを考慮することになります。

将来、この様に地の利を抑えた不動産事業者が全体設計の主導権を握る可能性があります。

3.業務可視化と計画・指示の最適化に寄与するAI・IoT

従来最も不確実性が高く、可視化が困難であったオペレーターの稼働状況について、センサーなどを活用し、可視化する動きが見られます。この可視化の結果に基づき、各作業工程の能力と進捗実態を分析し、ボトルネック作業を把握した上で、管理者による人員配置計画や出荷指示などの最適化支援が可能となります。

また同様にセンサーなどを活用した溢れ品の検知および商品マスタ更新の即時対応や、需要予測に基づく棚・棚間口配置の最適化も可能となります。

将来、この様にセンサーや解析技術(AIなど)を導入可能なデジタル関連プレイヤーの活用が、全体設計の前提となる可能性があります。

パートナーシップを締結し、企業横断で倉庫内業務の自動化要請に応える

全体設計に係るプレイヤー動向の将来予測から足元の各社人材状況を見ると、従来の全体設計能力に加え、AI・IoT・ロボティクスなど新技術・製品の活用知見に加えて、大型物流センターの活用知見を併せ持つ人材の数は限られ、将来的には人材不足の顕在化が見込まれます。また新興プレイヤーの重要性が高まることにより、従来3PL事業者や大手マテハン機器メーカーが、多くの全体設計を手掛けていた業界構図が変化する可能性もあります。

人材獲得および業界構図の変化への対応に向けては当面、各領域それぞれで強みを持つ企業間でパートナーシップを締結し、双方の不足スキルを補完し合いながら、物流倉庫内業務の自動化要請に企業横断で応えていくことが必要になります。

また共通の基盤上で、製品仕様などに関する情報を密に連携し合い、業界全体で人材を育成する風土の醸成も、パートナーシップ締結においては期待されます。

PwCコンサルティングのアプローチ

PwCでは、物流・マテハン機器・AI・IoT・ロボティクス関連のコンサルティングに豊富な実績を有するメンバーが中心となり、必要に応じてさまざまな業界・分野の専門家と緊密に連携しながら、パートナーシップ戦略策定、パートナー選定、提携先との交渉、ビジネスモデルの構築、営業活動支援、事業運営のモニタリング・改善をワンストップで支援しています。

事例1:大手電機メーカーの事業計画の策定支援

マテハン機器を取り扱う大手電機メーカーに対し、倉庫内業務を取り巻く環境の中長期的展望を整理した上で、営業戦略・アライアンス戦略および今後の実行計画策定を支援しました。実行計画策定後は、一部営業活動の支援をPwCメンバーがハンズオンで参画する形で支援しました。

事例2:物流デューデリジェンス支援

大手日系企業の依頼に基づき、ある物流企業の倉庫内業務の自動化状況を、競合企業など複数社との比較を通じ評価しました。その上で、今後競争力を向上させる上で必要な投資額の整理および実行計画策定の支援を行いました。


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主要メンバー

久木田 光明

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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岡山 健一郎

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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