令和8年度障害者総合福祉推進事業の実施について

  • 2026-06-10

PwCコンサルティング合同会社は厚生労働省令和8年度障害者総合福祉推進事業の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。

地方自治体における障害福祉サービス等の必要な量の見込みの算定方法に関する調査研究

障害福祉サービスについては近年、営利企業の参入が相次ぎ、一部地域でサービス提供が過剰になり、地域差の拡大とサービスの質の低下も課題である。こうした状況を是正するため、令和7年度に厚生労働省が行った障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針(以下「基本指針」という)の改定では、一定の条件を満たす自治体に対して、サービス見込量の算出方法の見直しやいわゆる総量規制の発動の要請が盛り込まれた。地方自治体が改定後の基本指針に即した計画を策定するにあたっては、これらの改定に関する丁寧な説明と、地域差の是正について実態に即した見直しが必要である。

そのため、全国の地方自治体を対象に第8期障害福祉計画の策定にあたってマニュアルの改訂と説明会の実施を通して支援を行うとともに、障害福祉サービス等の必要な量の見込みを決定するための手法等を調査し、各自治体における障害福祉計画の作成方法の実態を把握する。

意思決定支援ガイドラインを活用した研修資料等の作成に関する研究

厚生労働省では、平成29年3月に「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)を公表し、令和2年度からは、サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者研修において、意思決定支援専門コース別研修を実施している。また、令和6年度報酬改定で意思決定支援の推進を指定基準に規定するなど、障害者の意思を尊重した支援を推進している。

一方、令和4年の国連障害者権利委員会からの総括所見では、ガイドラインの「the best interest of a person(本人の最善の利益)」という言葉の使用に懸念が示され、第二期成年後見制度利用促進基本計画の中間検証報告書においては、ガイドラインの見直しを検討する必要があるとされた。こうした状況を踏まえ、令和7年度の障害者総合福祉推進事業では、ガイドラインの見直しに係る調査・検討を行い、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン(第2版)案」が作成された。

そこで本研究では、福祉現場における利用者の意思を尊重した支援をさらに定着させていくため、昨年度作成されたガイドライン案を活用した既存の研修資料の改訂及び研修動画の作成を行う。

地域生活支援拠点等における機能の評価指標及び拠点コーディネーターの養成に係る調査研究

地域生活支援拠点等(以下、拠点等。)は、第6期障害福祉計画以降、機能の充実のため年1回以上運用状況を検証及び検討するとされていたが、令和5年度の実績では、拠点等を整備した1,195市町村の内、検証および検討を実施したと回答した自治体は769市町村に留まった。第8期障害福祉計画においても年1回以上、支援の実績等を踏まえた、地域生活支援拠点等の各機能が果たされているかの状況等について検証及び検討することとしていることから、市町村が検証及び検討に活用できる評価指標の開発が必要な状況である。

また、社会保障審議会障害者部会報告書(令和4年6月)において、「(中略)拠点等にこうした役割を担うコーディネーターについて、その必置化を求める意見があったことも踏まえ、配置の促進やスキルアップや養成に向けた方策を検討すべきである。」とされた。加えて、令和4年総合支援法改正の附帯決議においても「(中略)拠点等の役割の明確化や機能強化、拠点コーディネーターの役割や配置の促進など地域移行を効果的、計画的に推進するための方策について検討し、必要な措置を講ずること」とされている。

こうした背景から、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定において、拠点コーディネーターの配置を促進する目的で地域生活支援拠点等機能強化加算が創設された。今後は拠点コーディネーターの配置の促進と共に、人材育成も求められていくこととなる。

そこで本研究では、地域生活支援拠点等の機能の充実、拠点コーディネーターの配置促進、および人材育成を進めていくため、市町村が活用できる評価指標を作成するとともに、拠点コーディネーターの養成に係るモデル研修を実施し、研修カリキュラムやシラバス、教材を完成させることを目的とする。

精神科病院における携帯電話やスマートフォン等の取扱いに関する研究

近年の精神科病院における携帯電話・スマートフォン等(以下「携帯電話等」)の使用については、患者の個別の状況に応じつつ、入院患者の地域移行支援の円滑化の観点などから広く認めている病院がある。一方で、他患者とのトラブル防止等に関する運用上の課題等も指摘されているが、精神科病院における携帯電話等の運用実態や取扱いは明らかではない。

このため、本調査研究は、精神科病院における携帯電話等の患者による使用実態及び病院側の運用実態を把握するとともに、精神科病院における携帯電話等の利用及び運用の在り方を整理することを目的として実施する。

具体的には、精神科病院での携帯電話等の使用に伴う課題を把握し、その解決策を検討するとともに、精神科病院における携帯電話等の利用に関する運用上のルールや病院と患者等との契約内容等を示した精神科病院における携帯電話等の使用等に関する手引きを作成する。

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