令和8年度難病等制度推進事業の実施について

  • 2026-07-29

PwCコンサルティング合同会社は厚生労働省「令和8年度難病等制度推進事業」の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。

【事業概要】

小児慢性特定疾病児童等自立支援事業推進事業立ち上げ支援

小児慢性特定疾病の子どもたちは、幼少期から慢性疾患にかかっていることにより、学校生活や社会生活に支障がある場合がある。このため、小児慢性特定疾病の子どもたちの自立を支援するために平成27年に創設されたのが、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業である。

小児慢性特定疾病児童等自立支援事業は、都道府県等が実施主体となり、小児慢性特定疾病の子どもと家族に対して、必須事業の相談支援や、努力義務事業のレスパイト、家族支援、学習支援など多様な支援を行い、子どもたちの自立を支援するものである。しかし、努力義務事業の実施率が低く、支援が十分ではないといった課題がある。

以上を踏まえ、令和4年度は、希望のあった都道府県等の自治体に対して小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ支援を行い、その成果を踏まえた「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ・見直し手順マニュアル」を策定した。

令和5年度も同様に、希望のあった都道府県等の自治体に対して小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ支援を行い、「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ・見直し手順マニュアル」を改訂した。

令和6年度は、令和5年度に引き続き、新たに支援希望自治体を募り、当該自治体に対する小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ支援を実施した。加えて、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ支援にて要望の多かった、自立支援員の役割や業務内容を整理した「自立支援員業務手引き」や、各自治体の小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施内容を整理した「取組事例集」を作成した。

令和7年度は、令和6年度に引き続き、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ支援を実施した。さらに、自治体外の支援団体との連携など、地域資源との連携におけるモデル事業を実施し「地域連携実践手引き」を作成した。

さらに、都道府県等が子どもの意見を正確にくみ取り自治体の取組等に反映できるよう、現在掲示されている小児慢性特定疾病の子ども向けの実態把握調査のモデル調査票の更新及びきょうだい向けのモデル調査票の新規作成を行った。

本年度は、引き続き小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の立ち上げ支援を実施する。さらに、自治体が自ら継続的かつ効果的な事業運営を可能とするため、また小慢児童等とその家族がどの地域においても支援を受けられる体制の構築を目指すため、全国の自治体における事業の実施状況調査、令和7年度に作成したモデル調査票の活用手引き及び事業スタートガイドの作成等を行う。

移行期医療支援体制整備の推進にかかる調査研究

小児慢性特定疾病の子どもたちは、幼少期から長期間にわたり小児科に通院している場合があり、成人期の医療機関への移行が必ずしも円滑に行われていない。そのため、成人期に発症する生活習慣病など小児科では対応できない病気の発見や治療が困難になるという問題がある。

国や都道府県は、小児期から成人期への医療の移行を円滑に行うための取組を行っているが、その実態や移行に伴う課題は必ずしも明らかではなかった。そのため、令和4年度には、移行期医療支援センターに対して、小児期から成人期への移行期医療を円滑に行える体制を構築するため、課題の抽出を目的とした実態把握調査を実施した。

令和5年度は、令和4年度の実態把握調査を踏まえ、今後都道府県が移行期医療を円滑に支援するための課題解決策を検討した。そのうえで、解決策の実効性等を検証し、実証過程をまとめ、都道府県が活用しやすいように「移行期医療支援協議会設置に向けた手引き」を策定した。実証は、特定の地域をモデルとし、当該自治体に協力いただきながら、実際のケースを用いて行った。

令和6年度は、医療機関、保護者及び本人、並びに都道府県に対する実態把握調査や、医療機関、保護者及び本人に対するヒアリングを実施し、移行期医療支援についての認知度や実施状況を把握するとともに、移行期医療支援に係る課題を抽出した。調査結果から抽出された課題をもとに、難病医療提供体制を活用した課題解決施策について検討した。

令和7年度は、令和6年度に検討した各ステークホルダー(医療機関、保護者及び当事者、都道府県の課題を踏まえて、それぞれの課題を解決するためのツールの検討および作成ならびに、医療資源の地域差を踏まえた移行期医療支援体制について検討した。

本年度は、移行期医療支援センターに対する都道府県の理解促進と、移行期医療支援センター未設置の都道府県における移行期医療支援の推進を目的に、移行期医療支援コーディネーターの業務ガイドラインの作成および、難病診療連携拠点の病院担当者を対象とする研修を企画・実施する。

改正難病法施行後の状況調査

難病の患者に対する医療等に関する法律及び児童福祉法の改正により、令和6年4月1日施行で「登録者証」発行事業の創設が行われた。

令和7年度は、登録者証の発行・活用に関して、アンケート調査及びヒアリング調査を実施した。調査の結果、登録者証の発行は全国的に進みつつあるものの、その利活用は必ずしも十分に広がっていない実態が明らかになった。また、調査結果を踏まえて、課題を抱えている自治体等が参考とできるよう、事例集を作成した。

本年度は、民間企業における登録者証の利活用に関するヒアリング調査、自治体における登録者証所持者へのアプローチ・支援状況に関するアンケート調査、軽症者向けの登録者証の利活用に関するヒアリング調査を実施する。また、検討委員会等を通じて、登録者証の有効な活用手法の検討を行う。

指定難病患者データの情報提供における迅速化の検討

指定難病患者データベースは、難病法に基づき、指定難病患者の診断基準、重症度分類、検査所見、治療状況等の臨床情報を収集・蓄積する公的なデータ基盤である。平成27年に施行された難病法を踏まえ、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」では、国が指定難病患者の臨床情報等を適切に収集し、指定難病患者データベースを構築すること、構築・運用に当たり個人情報保護等に万全を期すこと、さらに医薬品等の開発を含む難病研究に有効活用できる体制を整備し、小児慢性特定疾病データベースや欧米等の希少疾病データベースとの連携を検討することが示されている。

一方で、研究者等へのデータ提供に当たっては、提供対象データの確認や抽出、匿名化等の作業に一定の時間を要しており、迅速な研究実施の観点から改善が求められている。

本事業では、関係機関へのヒアリングなどを通して、指定難病患者データの情報提供に係る現行の運用状況や課題を整理するとともに、改善施策の検討を行う。

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