令和7年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)の実施について

  • 2025-08-28

PwCコンサルティング合同会社は、厚生労働省令和7年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。

【事業の概要】

包括的・継続的ケアマネジメント支援事業及び地域ケア会議のあり方とそれを担う地域包括支援センター及び地域の関係者・関係機関の役割等に関する調査研究事業

近年、居宅介護支援事業所への主任介護支援専門員の配置が進む中、当該事業における関係者・関係機関の役割やあり方が変化してきており、「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」においては、地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャーにおける役割分担案が示されたところである。

このうち、地域包括支援センターの主任ケアマネジャーの役割は、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業内で行う各種対応を担うことであると考えられ、本役割を遂行するための支援は令和5年度介護保険法改正内容に関連した実施状況など地域実情に応じたものであることが重要であるとされているものの、これらの実情を明らかにした調査はみられない。

このため、本事業では、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業と地域ケア会議に関する市町村及び地域包括支援センターへのアンケート調査・ヒアリング調査を実施する。これら調査により地域実情を明らかにするとともに、地域全体のケアマネジメントの質向上や複雑化・複合化した課題を抱える高齢者の自立支援に資するよう、地域包括支援センターをはじめ地域の関係者・関係機関の効果的・効率的な連携等のあり方について検討し、報告書に取りまとめる。

⾼齢者⾃⾝の意思決定と多様な選択を⽀援するための介護予防ケアマネジメント及び介護予防⽀援のあり⽅に関する調査研究事業

地域包括支援センターでは、高齢化の進行や複合的課題を抱える世帯の増加に伴い、総合支援や介護予防支援などの業務が増大し、業務負担感が制度創設当初に比べ増大している。このようななか、令和5年度の制度改正では、総合相談支援業務における居宅介護支援事業所等への一部業務委託、介護予防支援・介護予防ケアマネジメント業務における居宅介護支援事業所の指定介護予防支援の指定対象追加など、地域包括支援センター負担軽減を目的とした見直しが行われた。しかしながら、これらの方策を講じてもなお、地域包括支援センターの業務は多岐に渡り、運営においては様々な困難があることが指摘されているほか、地域包括支援センターが連携する居宅介護支援事業所そのものの業務負担も指摘されているのが現状である。

このため、本事業では、地域包括支援センターの行う介護予防支援やケアマネジメントに関するアセスメント、計画作成、モニタリング等のプロセスに焦点を当て、アンケート調査やタイムスタディ調査を通じて業務実態を把握する。加えて、ICT活用や多職種連携の状況、高齢者の状態改善に関するデータを取集・分析し、居宅介護支援事業所との役割の在り方を検討する。さらに、これらの結果を踏まえ、効率的かつ効果的な業務実施に資する検討を行い、報告書に取りまとめることとする。

特別養護老人ホームの入所申込者の実態把握に関する調査研究事業

特別養護老人ホームの入所申込者は国全体で見ると減少傾向にあるが、令和6年度の老人保健健康増進等事業で実施された調査によると1施設あたりの入所申込登録者は平均75.2人であり、現在でも特別養護老人ホームには一定のニーズがあるといえる。このように特別養護老人ホームの入所申込登録者が一定数存在する一方で、空床が生じている特別養護老人ホームが存在することも同調査によって明らかとなっている。

また、要介護1・2の高齢者に係る特例入所については、令和4年度の老人保健健康増進等事業で実施された調査において「指針自体が定められておらず、特例入所は運用されていない」と回答した自治体が1割近く存在しており、地域によって運用状況にばらつきがあることが判明している。

このため、本事業では、特別養護老人ホームの入所申込登録者の増減傾向等と併せて、空床の発生状況及び空床の発生理由を確認し、空床の発生が高齢人口の減少など需要側の要因によるものなのか、職員不足や施設老朽化など供給側の要因によるものなのか分析する。また、特例入所についても、運用状況と併せ、運用されていない場合はその理由(特にニーズの有無)を把握する。さらに上記調査の結果を踏まえ、地域における実情を踏まえた適切な特養の施設運用を図るための方策を検討し、報告書として取りまとめる。

高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究事業

高齢者向け住まい(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)は、量的に急増していることに加え、事業者像、入居者像やサービス利用/提供の形態などが多様化し、質的にも大きく変化してきている。こうした変化を定点観測していくため、実態調査が行われてきた。

本調査研究事業は、これまでの調査研究を踏まえつつ、高齢者向け住まい運営事業者の運営実態(定員数、職員体制、施設設備など)や入居者像(要介護度、認知症の程度など)、介護・医療サービスの利用/提供状況といった基礎的情報を把握・分析することを目的として実施する。

今年度事業では、「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」での議論も踏まえながら、高齢者向け住まいの入居契約に至るプロセスや説明、高齢者向け住まいで担っている医療対応、その他制度改正や報酬改定において論点となる事項の3つに着眼して、実態を把握することを試みる。

難聴高齢者の早期発見・早期対応等の手引きを活用した市町村での円滑な事業実施に向けての調査研究事業

難聴になると、耳が聞こえづらくなるだけでなく認知機能にも影響を与える可能性があると言われており、生活の質を維持するためには、難聴の早期発見・早期介入が重要である。そのため、本人が気付かないうちに進行し、適切な支援や受診に繋がりにくいことが懸念される加齢性難聴も、早期に発見し適切な支援に繋げることができれば、難聴の進行や認知機能の低下を遅らせる可能性が高まり、将来の要介護リスクを軽減することも期待される。

自治体等による難聴の早期発見や早期介入に関する取組を推進するため、令和5年度「難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた関係者の連携に関する調査研究事業」及び令和6年度「難聴高齢者の早期発見・早期対応等に向けた手引きの活用に関する調査研究事業」では、先進的な取組を行っている自治体へのヒアリング調査や複数の自治体によるモデル事業を行うことで効果的な実施体制や手法について研究し、難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた取組実施のための手引きを作成及び改訂した。

今後は、自治体による取組をさらに拡大させ、また、より効果的な体制や手法による実施を促進させるため、自治体における外部の関係機関や専門職等との連携を進めるための仕組みづくりや、自治体の担当職員のスキルアップを図る必要がある。本事業では、昨年度に引き続き手引きを活用したモデル事業を行うほか、自治体の担当職員向けの研修会や過去のモデル自治体による実践報告会を行うことで、自治体による効果的な取組実施をより一層推し進める。

介護未経験者マッチング機能強化モデル構築に関する調査研究事業

介護分野への多様な人材の参入促進を図るため、令和6年度補正予算にて、都道府県・市町村を事業実施主体とする、主に介護未経験者を対象とした介護事業所とのマッチング機能を強化するモデル事業(介護未経験者マッチング機能強化モデル事業)が新たに実施される。

本調査研究事業は、当該モデル事業の推進に係る情報提供等の側面支援や、事業の実施プロセス・成果の横展開を通じ、取組を普及させることにより、これまで介護に関わりのなかった層の介護現場への接点を増加させ、介護現場と地域のつながりの強化を図るとともに、魅力発信を通じた将来的な介護人材のすそ野拡大に資することを目的とする。

具体的には、モデル事業の好事例の収集を行い、普及イベントの開催や多くの自治体で導入できるような普及方法などの整理・検討を行う。

人口減少社会を見据えた高齢者施設等の整備に関する調査研究

中山間・人口減少地域の小規模自治体では、需要減少に応じて、過不足ない介護サービス基盤を構築することが課題となっており、サービス基盤を確保していくために、地方自治体の役割が重要になるという指摘もある。また、ゴールドプラン以降整備を進められてきた高齢者施設は老朽化や建て替えを検討するタイミングとなっており、需要(要介護高齢者人口)の減少や供給(事業者や介護人材)の減少を踏まえたサービス提供体制の再構築が急務となっている。

本調査研究事業は、人口減少社会における高齢者施設をはじめとした介護保険サービス基盤の整備に関する現状・課題の抽出・分析を行うことを目的として実施する。

具体的には、地方自治体へのヒアリング調査及びアンケート調査、関係団体へのヒアリングを通じ、人口減少社会における介護サービス基盤の維持のために検討・実施しなければならないポイントや、社会福祉法人等が整備すべき修繕計画の検討等を進める。

令和7年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)の実施について
【2次公募】

特別地域加算等の在り方に係る調査研究事業

離島・中山間地域・豪雪地帯といった地域での介護サービス提供に関しては、特別地域加算等における対象地域の明確化等の改定があったが、令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和6年度調査)では、中山間地域での訪問系サービスの回数減少が見られ、それに伴う事業所の収入減が懸念される。

燃料費高騰の影響も想定されるなか、中山間地域等の事業所の更なる経営安定化に向けて、加算の充実や要件の緩和を含んだ加算の弾力化の議論がなされている。令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和6年度調査)においては、当該地域を「中山間・離島等」として調査対象として含めているものの、詳細な比較などには言及できていない部分もある。

そのため、本調査では特別地域加算の対象となる「離島・中山間地域・豪雪地帯等」における介護サービスについて、利用者数・移動距離・移動手段・移動時間といった詳細な実態把握を実施する。手法としては事業所向けのアンケート調査やヒアリング調査を中心としつつ、必要に応じて「離島・中山間地域・豪雪地帯等」の対象地域にあたる自治体へのヒアリング調査を想定している。

介護施設等における国土強靭化対策の推進に関する調査研究事業

社会福祉施設等の国土強靭化対策については、これまで累次の取組を進めてきたところであり、2025(令和7)年6月に閣議決定された第一次国土強靭化実施中期計画においても、耐震化対策、ブロック塀改修、水害対策、非常用自家発電設備整備の4事業が「推進が特に必要となる施策」として位置づけられ、令和12年度に向けて対策を進めることとされたところである。

取組を引き続き推進していくに当たっては、4事業ごとに介護施設等の立地や構造等を十分踏まえたうえで、緊急性の高い介護施設等に対する取組を一層重点化していくとともに、南海トラフ地震等の災害に備えるためにも、自治体や介護事業者において、取組の重要性の理解を促進していく必要がある。

以上を踏まえ、介護事業者における耐震化対策、ブロック塀改修、水害対策、非常用自家発電設備整備の各対策の理解度や実施状況の実態を調査するとともに、実践事例や取組の効果を把握することを目的として本事業を実施する。

高齢者住まい入居者紹介事業の適切な事業運営に関する調査研究事業

有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を中心に構成される「高齢者向け住まい」は、関連する法制度の変化に適合する形で変容しながら、介護保険施設とも自宅とも異なる「住まい」としての位置づけを築き、施設数ベースでは介護保険施設を上回り、定員数・利用者数も匹敵する規模に近づくとともに、多様化が進んでいる。特定施設の適用を受け、包括的な介護保険サービスが内包されたホームと、一般在宅と同様のケアマネジメントのもとに必要な居宅サービスを選択して利用する、いわゆるサービス”外付け”型のホームとがあり、一般的な高齢者・ご家族からみてわかりにくいことから、入居を検討する高齢者・ご家族の相談を受け、情報提供・内覧同行などを行い、空室のある高齢者向け住まいに対して入居者を紹介し、住まい運営事業者側から紹介手数料(報酬)を得る紹介事業というビジネスモデルが存在している。この事業は、高齢者・ご家族の情報収集や理解を円滑にするという利点もある反面、紹介事業者側の都合や住まい運営事業者側の都合によって紹介するホームが偏り、選択に影響を与えることへの懸念も生じている。

こうしたことを踏まえ、高齢者住まい事業者団体連合会等の業界団体の協力を得ながら、紹介事業者へのアンケート調査を通じて紹介事業の実態を明らかにするとともに、消費者保護の観点を重視し、紹介事業者が遵守すべきルールと、そのルールを実効性あるものとするための仕組み・方策のあり方、具体的な実施方法についての議論を深めることを目的として本事業を実施する。

介護テクノロジーに係る市場動向調査

令和7年6月13日付け閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」をもとに介護分野を含む12の業種について、それぞれ「省力化投資促進プラン」が策定され、業種別の省力化投資の規模や市場規模の把握等、事業者による過剰投資を招かないような効果的な情報提供を行うことが求められている。また、同プランの中で、介護分野においては、2029年までにICT・介護ロボット等の導入事業者割合を90%にすると、高いKPIが設定されている。介護現場では人材不足が喫緊の課題となっており、テクノロジー活用による生産性向上が強力に推進されているところであるが、開発側と現場のギャップやコスト確保の課題などから、最も導入が進んでいる見守り・コミュニケーションで3割程度、次に介護業務支援及び移乗支援が1割程度の普及と、現状では十分普及が進んでいるとは言い難い状況である。

現場での人材不足の背景からテクノロジー活用による生産性向上が強力に推進されているところ、更に2024の介護報酬改定にて介護事業者に「生産性向上委員会」の設置が義務化され、現場でのテクノロジー導入は進んでいくと推測される。また、通信機能を備えた福祉用具についても介護保険の給付対象となる機能が拡大しており、介護ICT/テクノロジーの市場の活性化が期待されている。

これらの背景を踏まえ、本調査では、関係者に共通認識をもって介護テクノロジーの普及促進に取り組んでもらうため、介護テクノロジーの重点分野ごとに開発事業者、介護事業者の課題やニーズを整理したうえで、開発事業者へのアンケート調査及びヒアリング調査や介護事業者へのヒアリング調査を通じて情報を収集し、重点分野ごとに市場動向の調査及び市場規模の試算を行う。

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