企業の生産性を向上させ、多様で柔軟な働き方を実現するための在宅勤務ガイダンス

1.はじめに

2020年初旬から世界的に大流行をみせる「新型コロナウイルス（COVID-19）」の影響を受け、感染拡大を防止するために政府は不要不急の外出を控えるよう要請を出しました。それに対して国内外のあらゆる企業で在宅勤務やオフィス以外の場所での勤務を効果的に実現するマネジメント体制への移行を始めています。
それに伴い、オフィスへの出社が不要となる「在宅勤務制度」や「テレワーク制度」への導入を目指し多くの企業で実務的な関心が高まり、特に（1）出退勤を含めた法的・労務的な労務管理、（2）上司部下との効果的なコミュニケーションや会社としての戦略や方針を浸透させるための新しいマネジメントスタイル、そして（3）それらを支えるためのテクノロジーの活用やそれを活用するための社員のアップスキリングへの関心が急速に高まっています。
大局的な視点から見ると、今回のCOVID-19への対応以前から、2011年の東日本大震災以降、日本国内の労働者の生産性を高め、世界基準で競争力を高めるための施策の一環として、政府の推進する働き方改革（2019年4月から施行）や東京五輪の開催に向けて「テレワーク」の導入が進められてきましたが、その経緯もありこの数年は在宅勤務制度を取り入れる企業が増加傾向にありました。
本資料は、これから在宅勤務制度を社内でも導入するという企業に向けて、「在宅勤務の定義」や「在宅勤務のメリット」といった基礎的な情報とともに、導入にあたって検討すべきポイントを労務、マネジメント、テクノロジーの観点から解説します。現下の情勢を会社全体として社員の意識改革や働き方改革に取り組む好機と捉え、対応を促進する一助となれば幸いです。