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【進化したPower Market Analytics】―市場環境変化にタイムリーに対応して電力ビジネスの事業予見性を評価する、よりパワーアップした将来見通しレポートの提供―
2025-06-30
※2025年5月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーションニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
米国のトランプ政権による関税政策により、どの国・地域の企業も、関税についてより真剣に考慮する必要性に迫られています。今回は、エネルギー業界への影響と課題について説明します。
1.Power Market Analyticsとは
PwCアドバイザリーでは2018年より、2050年程度までの将来の卸電力価格や再生可能エネルギー（再エネ）の出力制御量（需給バランス起因）などを分析する独自モデルであるPower Market Analyticsを活用した事業性評価を通じて、再エネなどを対象とした事業開発や投資、M&Aを行う事業者の意思決定を支援してきました。
ここ数年は皆さまご存じのとおり、FITからFIPへの移行に関連した各種制度の変更、電力システムにおける蓄電池の活用の広まり、需給調整市場（EPRX）の一次・二次を含む全商品の市場取引や長期脱炭素電源オークションの開始、カーボンプライシングの導入決定、ユニット別発電情報の公開、東京電力管内における系統混雑に伴う出力制御の実施など、発電事業への投資環境や需要家の電力調達行動に影響を与えるさまざまな変化が生じています。
PwCアドバイザリーではこれらの環境変化にタイムリーに対応した新たな分析モデルの開発やデータ分析の高度化を図り、進化したPower Market Analyticsを用いて事業者や投資家、需要家の皆さまの投資予見性を評価する価値ある将来見通しレポートを提供しています。
2.進化したPower Market Analyticsの概要
Power Market Analyticsでは、独自に開発した分析モデルを用いて、卸電力市場（JEPX）、需給調整市場（EPRX）、容量市場からの収益や出力制御率、FIPプレミアム、環境価値など、将来の電力ビジネスの収益性やリスクの定量評価に資する数値分析を実施します。さらに、蓄電池やFIP転換電源などを対象に事業性分析を行う場合には電源運用の巧拙により収益性が変わるため、混合整数線形計画法（MILP）に基づく最適運用モデルを活用して市場収益を精緻に分析します。これらの結果を踏まえて、キャッシュフローモデル（CFM）の作成や入札支援、事業戦略の検討、さらにはフィナンシャルアドバイザー（FA）サービスとの連携も行っています。
3.進化したPower Market Analyticsの詳細
Power Market Analyticsの詳細は以下のWebサイトをご覧ください。こちらではPowerMarket Analyticsで提供する以下のようなサービスメニューについて掲載しています。
PwCアドバイザリーでは、これからも市場環境変化に即してタイムリーに対応し、皆さまの投資判断に役立つサービスを提供していきます。是非、皆さまからのご要望もお聞かせ頂ければ幸いです。
【Power Market Analyticsに関連したWebサイト】
Power Market Analytics-電力市場分析を通じた電力事業の将来性評価
ユニット別発電情報の可視化ポータルのご案内
エネルギー需給モデルを活用した事業戦略検討支援
大規模インフラプロジェクトにおける資金調達等支援
再生可能エネルギー発電事業者向けコーポレートPPA実行支援
【進化したPower Market Analyticsのサービスメニュー例】
①系統制約による出力制御分析
各送電線の運用容量と電源稼働量想定をベースに、潮流シミュレーションおよび系統混雑解消のシミュレーションを実施することで、対象発電所が接続する母線単位での将来の出力制御率を一括で計算します（図表1）。
図表1：系統制約による出力制御の分析イメージ
②需給調整市場の分析
2024年4月以降の需給調整市場の入札・落札結果を踏まえながら、将来の需給調整市場の募集量や各種電源の入札量・価格分析モデルを活用し、落札可能と想定される価格を推定します（図表2）。
図表2：需給調整市場の分析方法
③FIP転、および蓄電池併設による事業性評価
再エネのFIPへの転換、および蓄電池を併設することによる収益向上の可能性について、市場価格分析や最適運用シミュレーションを基に事業性を分析、評価します（図表3）。
図表3：シミュレーション例
④環境価値分析（追加性あり／なし、非化石証書の分析）
環境価値は追加性の有無や取引形態（相対／市場）により図表4のように区分できます。PwCでは再エネ価値の需給バランスに着目して、独自モデルを用いてRE100対応の追加性再エネの環境価値レポートを提供し、自社電源の競争力評価などに活用いただいています。
図表4：環境価値の分析フレーム
図表5：追加性あり再エネの分析アプローチ
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