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2020-04-22
PwC Legal Japan News
2020年4月22日
東京高裁は、原告(控訴人)(以下「X社」といいます)とその完全子会社(以下「S1社」といいいます)とが、S1社を被合併法人(消滅会社)とする適格合併を行い、X社(存続会社)がかかる適格合併によりS1社の未処理欠損金を引き継いだ(法人税法(以下「法法」といいます)57条2項)としてその損金の額に算入したことにつき、法人税法132条の2(組織再編成に係る行為計算否認規定)の適用による否認の可否(適法性)が争われた事案(以下「本件」といいます)に関して、2019年12月11日付けで、納税者敗訴の判決を下しました(東京高判令和元年12月11日TAINSコードZ888-2287。以下「本件判決」といいます)1。なお、本件判決は、原審(東京地判令和元年6月27日TAINSコードZ888-2521。以下「本件地裁判決」といいます)の判断を踏襲しています。
本件判決は、法人税法132条の2の解釈・適用(とりわけ「不当に」の解釈)に係る具体的な判断枠組みを示した最高裁判決(最一小判平成28年2月29日民集70巻2号242頁及び最二小判平成28年2月29日民集70巻2号470頁。以下「平成28年最判」と総称します)2が出された後、はじめて同条の具体的な適用が争訟において問題となった事案であり、また、5年超の支配関係がある当事者間のグループ内再編で未処理欠損金額の引継ぎが否認された事例として、今後のM&A実務(ストラクチャリングの検討等)に影響を与え得る重要な判決であると考えられます。本ニュースレターにおいては、本件判決の概要を紹介するとともに、その実務上の意義についての検討を行います。
1 なお、本件判決については上告及び上告受理申立てがなされています。
2 平成28年最判については、当法人の2016年7月ニュースレター「法人税法132条の2(組織再編成に係る行為計算否認規定)の「不当に」の解釈を示した最高裁判決の検討」〔北村導人=黒松昂蔵〕もご参照ください。
(全文はPDFをご参照ください。)