会社法制(企業統治等関係)の見直しに向けた会社法改正について

2019-06-05

PwC Legal Japan News
2019年6月5日

法務省法制審議会の会社法制(企業統治等関係)部会は、2019年1月16日、「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案(案)」(以下、「要綱案」といいます。)を決定しました。要綱案は、2月14日、法制審議会総会で承認されています。

要綱案が取り扱う会社法改正は、 (1) 株主総会に関する規律の見直し、(2) 取締役等に関する規律の見直し、そして、(3) その他の事項に大別されますが、その具体的内容は、株主総会資料の電子提供制度、株主提案権の制限、取締役等へのインセンティブ報酬等に係る規律の整備、社外取締役の活用、社債管理制度の整備、組織再編としての株式交付制度の創設など広範囲にわたります。

従来、政府は、要綱案に基づく会社法改正法案を2019年通常国会に提出し、2020年4月の改正法施行を目指していましたが、報道によると、政府は同法改正法案を通常国会へ提出することを断念し、現在、2019年秋の臨時国会への提出を目指しているようです。要綱案の主題の1つにコーポレート・ガバナンスの強化がありますが、その議論の最中、日産自動車前会長による金融商品取引法違反及び特別背任事件が発覚し、このことが立法スケジュールに影響したことは想像に難くありません。もともと要綱案には、改正法案の提出まで具体的内容がどうなるのか分からない部分が残されていましたが、日産自動車事件を受け、臨時国会では要綱案の再検証まで行われる可能性があり、今後の会社法改正に向けた議論の行方を見守っていくことが重要です。

※なお、本ニュースレターに続き、各改正項目についてより詳細なニュースレターを順次発行していくことを予定しています。

  1. 株主総会に関する規律の見直し
  2. 取締役等に関する規律の見直し
  3. その他(株式交付制度の創設など)

(全文はPDFをご参照ください。)

PwC弁護士法人 お問い合わせ