租税条約に基づく情報交換要請の違法性(東京高判平成29年10月26日)

2019-01-24

PwC Legal Japan News
2019年1月24日

我が国の居住者に対する税務調査の過程で非居住者及び外国法人の保有する情報についてなされた租税条約に基づく情報交換要請の違法性が争われた事案(以下「本件」といいます)につき、東京高裁は、2017年10月26日、原審(東京地判平成29年2月17日裁判所HP。以下「本件地裁判決」といいます)の判断を概ね是認する形で、情報保有者である原告ら(非居住者及び外国法人)を敗訴とする判決を下しました(東京高判平成29年10月26日判例集未登載。以下「本件判決」といいます)1

近年、BEPSプロジェクトにおける議論やパナマ文書問題等を受け、我が国においても租税条約等に基づく情報交換が積極的に行われており、今後、かかる情報交換の違法性が問題となるケースも増加することが予想されます。本件判決は、そのような場合における訴訟上の救済の可能性についての判断枠組みを示した点で実務上の意義を有するものであり、注目に値します。本ニュースレターでは、租税条約等に基づく情報交換制度の概要を説明すると共に、本件判決の紹介と若干の検討を行います。

  1. 前提~租税条約に基づく情報交換要請とは何か~
  2. 本件判決の検討

1 なお、本件判決については上告及び上告受理申立てがなされています。

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