持続可能性と自律性の向上を目指すEU ―ウクライナ紛争以降の変化に企業が取るべき対応とは―

2023-09-12

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻したことにより、欧州の政治経済情勢は一変しました。紛争開始から1年がたってなお、停戦・和平交渉への道は見えていません。一方、紛争の教訓からEUは経済の自律性向上に、より重きを置くようになっています。また、自由や民主主義の価値観に基づく西側諸国の結束が高まり、米中対立のイシューでもある人権問題への取り組みも加速しています。

本稿では、持続可能性に関するEUの政策に着目し、エネルギー・環境・人権政策に関する近年の動向とともに、あるべき企業の対応姿勢について説明しています。

本稿のポイント

  1. 「開かれた戦略的自律」を目指してきたEUは、ウクライナ紛争が起こって以降、経済安全保障の観点からも自律性向上に、より重きを置くようになった。
  2. エネルギー分野では、ロシア産資源への依存状態からの脱却を目指し、資源調達の多様化と再生可能エネルギーへの移行の加速を目指す。
  3. サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行も重要政策であり、リサイクルに関する企業の取り組みを促す規制が検討されている。
  4. 人権は対中戦略、持続可能性の観点からイシューとなっており、サプライチェーンのデューデリジェンスが義務化される方向で議論が進んでいる。
  5. いずれの分野でも今後、さまざまな制度の変更が予想され、日本企業としてもその動向を把握し、プロアクティブに対応することが求められる。

持続可能性と自律性の向上を目指すEU ―ウクライナ紛争以降の変化に企業が取るべき対応とは―

※本稿は、経営センサー5月号 2023 No.252(株式会社東レ経営研究所)に掲載された記事を許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。

※法人名、役職などは掲載当時のものです。

執筆者

藤澤 可南子

シニアマネージャー, PwC Japan合同会社

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