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2024-07-18
「企業によるESGへの取り組みは企業価値を向上させるのか」
これまでの企業価値評価は、主に経済価値・財務価値に着目したものが一般的であった。しかし近年、一部研究において企業によるESGへの取り組みと企業価値の関係性をポジティブに結論づけるものも出てきており、環境価値や社会価値といった非財務情報をもとにした新たな価値の概念の重要性が増してきている。その一方で、非財務情報の定量化に向けたアプローチや手法は発展途上の段階にあり、今まさに各国の研究機関や企業において議論が進められている。
こうした状況のなか、PwCは2022年12月に企業におけるESGへの取り組みが企業価値に与える影響を企業価値評価の観点から分析した記事を寄稿している。本稿は前回の寄稿を当時と同様のアプローチに基づいて内容をアップデートしたものである。
前回寄稿した記事では、企業のESGへの取り組みと企業価値の関係性を見い出し、企業のESGへの取り組みの有効性について考察した。そこでは、グローバルな上場企業を対象に、ESGスコアと資本コストの計算におけるベータの関係性について、統計的アプローチを使った分析・検証を実施した。具体的には、業界区分として世界産業分類基準(GICS)における主要11セクターを用い、セクター別にESGスコア(総合スコア)とアンレバードベータの相関係数(ピアソンの積率相関係数)および相関係数の有意性(p値)を求め、2019年度と2014年度を基準年度として相関の有無の検証を行った。また、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の、それぞれのESGスコアとアンレバードベータの関係についても同様の分析を実施した。
その結果、BtoC事業を主とする、比較的個人消費に近いと考えられる「Communication Services」、「Consumer Staples」、「Health Care」の3セクターにおいて、ESGスコアが高いほどアンレバードベータが低くなる相関が示された。それ以外のセクターについては、前回寄稿時の段階ではESGスコアとアンレバードベータの相関関係は見られなかった。
本稿では、基本的には前回と同様のアプローチに基づき、企業のESGへの取り組みが企業価値に与える影響について分析を実施する。
このコンテンツはPwCアドバイザリー合同会社のプロフェッショナルによるM&A情報・データサイトMARR Onlineへの寄稿記事です。詳細はこちらからお読みください(有料)。なお、執筆者の肩書などは執筆時のものです。
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