国内ミニマム課税(QDMTT)

読み方:こくないみにまむかぜい(きゅーでぃーえむてぃーてぃー)

定義

国内ミニマム課税(Qualified Domestic Minimum Top-up Tax:QDMTT)とは、主にグローバルミニマム課税が適用される多国籍企業グループに属する会社等を対象としたもので、ある国・地域が、現地に所在する会社等の数値を合算して算定する国別実効税率が最低税率(15%)を下回る場合に、その国・地域に所在する会社等に対して、その税負担が最低税率に至るまで課税するというルールです。

日本では2025年度税制改正において、QDMTTに係る法制として、「各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税(法人税法第二編第二章第一節・第四節、第三編第三章第二節など)」が導入され、2026年4月1日以後に開始する対象会計年度(最終親会社の連結財務諸表に係る会計期間)から適用されます。

国内ミニマム課税は、他国がGloBE(Global Anti-Base Erosion)ルール、つまり所得合算ルール(IIR)および軽課税所得ルール(UTPR)を適用することによる国外への財源流出を防ぐための仕組みとして、IIRやUTPRに優先して適用されます。したがって、ある国・地域の国内ミニマム課税が適格ミニマム課税に該当する場合には、他の国・地域においてIIRまたはUTPRを適用する際に計算の基礎となるトップアップ税額から、適格ミニマム課税による税額を控除することが認められています。また、適格国内ミニマム課税のうちOECDが定めたセーフハーバーの要件を満たす制度を導入していると認められた国については、他国がIIRまたはUTPRを適用する際に、その国のトップアップ税額はゼロと見なされます(QDMTTセーフハーバー)。

参考)

本用語解説は2025年10月1日現在の法令等に基づいて作成されており、これ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。また、本用語解説は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本解説の情報を基に判断し行動されないようお願いします。