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急速なテクノロジーの進歩により、スマートシティへの注目が近年ますます高まっています。スマートシティでは、テクノロジーの活用によりインフラなどの都市機能はアップデートされ、私たちはより効率的に、また快適に過ごすことができています。
テクノロジーに注目が集まる一方で、文化芸術を活用することで都市開発を進める「クリエイティブシティ」*1という考え方があります。クリエイティブシティとは、1995年に英国の都市研究家チャールズ・ランドリーが提唱した、都市開発における産業振興や地域活性化に対して、文化芸術の持つ創造性を活用することが重要であるという概念です。ユネスコはこの概念を採用し、文化の多様性を保持するとともに、世界各地の文化産業が潜在的に有している可能性を都市間で戦略的に連携させ、最大限に発揮させることを目的として、2004年に「創造都市ネットワーク」事業を始めました。
このコラムでは、「スマートシティ」と「クリエイティブシティ」という2つの概念を踏まえつつ、日本国内の事例や先進的な取り組みに触れながら、これからの都市開発における文化芸術の役割について考察していきます。
現在、都市開発にアートを活用する取り組みとして、国内外のさまざまな都市でアートプロジェクトが開催されています。なかでも関東のある自治体ではいち早くクリエイティブシティに着目し、アートのもつ創造性を都市開発に応用することで、都市の新しい価値や魅力を生み出すことを試みています。具体的な取り組みとしては、街中に数多く存在する近代の歴史的建造物や公共空間を文化芸術活動の発表の場として活用したり、大規模な現代アートの国際展を開催したりして、世界からアーティストやクリエーターが集まる文化芸術のハブ都市としての存在感を発揮しています。
この事例から、都市の魅力を高めることやコミュニティの創造力を活性化すること、都市のアイデンティティを強化することなど、文化芸術は都市開発において大きな役割を担っているといえます。さらに、アートによって魅力的な都市環境が作り出されることで、観光も活性化され、経済的な側面にも好影響を与えます。
アートもまたテクノロジーの急速な発展に合わせて、その表現形式はますます多様化が進んでいます。デジタルアートやインタラクティブなインスタレーション、VRやAR、メタバースを用いた作品など、テクノロジーはアートの新たな可能性を引き出しているともいえるでしょう。そして、スマートシティと文化芸術活動はテクノロジーを接点としてつながり、新たな都市像を描いています。
そのような事例として、関西の複数の自治体が民間企業と手を組み開催しているアートプロジェクトがあります。このプロジェクトは、プロジェクションマッピングを用いて歴史的建造物を彩り、普段とは異なる歴史的建造物の鑑賞体験を実現するなど、日本の歴史的建造物や伝統文化を保全するだけでなく、世界に発信し、広くその魅力を伝えていくことを目的としています。このアートプロジェクトで注目すべきは、歴史的建造物をメタバース空間に再現し、メタバース空間ならではの体験を提供したことです。先端テクノロジーを活用することで、実際に現地を訪れることができない人々に対しても、その土地や日本文化の魅力を発信し、これまでとは異なる交流や人流を生み出すことに成功しました。
スマートシティとアートの接続は、都市の観光を盛り上げ、経済的効果をもたらすだけでなく、そこに暮らす人々の生活をより豊かで魅力的にするために重要な役割を果たします。これからの都市開発では、テクノロジーを活用し、利便性を向上することで生活を快適にするだけでなく、アートを通じて感覚的な体験を人々の暮らしに提供することが求められると考えます。
PwCでは、都市の持つ文化資源の活用やアートを用いた都市開発も支援しています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
1 ”創造都市とは?”. 創造都市ネットワーク日本. 06/14/2023.
https://ccn-j.net/creative-city/, (06/14/2023)
総人口と労働力の減少、高齢化の進行が予測される昨今の日本において、「スマートシティ」の取り組みが注目されています。PwCはSociety5.0時代の社会課題の解決に向け、クライアントである行政とその先に暮らす住民の価値創出を、ワンストップで支援します。
エネルギー・資源・鉱業業界が抱える課題とPwC Japanグループが提供する支援サービスをご紹介します。
都市・インフラストラクチャー業界が抱える課題とPwC Japanグループが提供するサービスをご紹介します
PwCコンサルティングと Google は、世界中の多くの方に新たな視点や、スマートモビリティが将来のスマートシティにおいて果たす役割やアイデアを提供するため、共同でレポートを発行しました。