建設業における基幹システム刷新支援

あるべき基幹システム刷新の進め方

システム刷新自体は、手段であり目的ではありません。構想策定フェーズでは、会社や事業部の戦略に対して、業務をどのように変えていくか検討する必要があります。

例えば、現場の原価管理は、表計算ソフトが個人にとっては使い勝手がよく自由度も高いために、業務ルールやプロセスを変えてまで、原価管理システムの刷新をすべきでないという考え方があります。一方で、個人の使い勝手や自由度を優先するのではなく、データを収集し将来的にマスデータを活用して選択受注や早期見積もりを実施するという方針を掲げている場合、個人の観点からは不便になるとしても、業務改革・システム刷新を実行するべきです。

このように、データ活用の可能性を踏まえると、企業や事業部の戦略に基づくシステム刷新をすべきですが、システム環境の制限などの理由から基幹システム刷新を迫られた場合に、企業や事業の戦略を加味することなく、現場担当者の使い勝手・自由度を反映したシステム刷新が行われがちです。システム刷新には、数十億円単位で投資が必要なこともあるため、企業や事業の戦略を反映すべきであり、適切な関係者を巻き込み、他事業・他社が何をしているかを知った上で、システム刷新のあるべき姿を決めなければなりません。

PwC Japanグループでは、業務の上流工程から下流工程まで、建設業における複数領域の基幹システム刷新について多数の支援実績がありますので、現状の業務にとらわれずに、今後の建設業における変化を捉えた上での業務のあるべき姿を描く支援が可能です。私たちが支援において、構想策定フェーズを進めるうえで企業の経営戦略に沿った業務のあるべき姿を検討し、それを踏まえた上で、将来の業務要件を定義します。

【基幹システム刷新のプロセス】

上流工程におけるよくある課題

上流フェーズ(構想策定やあるべき業務の検討)において深掘りができなかった場合、目的やゴールが不明確なままプロジェクトが進み、結果的として働き方や業務変革が進まず、単なるシステムの置き換えになりがちです。

PwCの支援

原価管理、財務会計を中心として、各領域の業務改革、基幹システムの刷新を支援します。ベンダーが参画する前の構想策定フェーズ、業務要件定義(提案依頼書作成・ベンダー選定含む)からベンダー参画後のプロジェクト管理まで多岐にわたる支援が可能です。ベンダー参画後は、進捗管理、課題管理といったいわゆる管理要素の強い支援から、業務側、システム側双方の工数が足りない部分について、クライアント側に立って対ベンダー、対周辺システム側とのやり取り、業務推進を行います。

建設業特有の業務に対応

建設業ならではの特徴の1つとして、受注を受けて発生するプロジェクトベースの業務が挙げられます。大量生産の製造業とは異なり、プロジェクトを受注したと同時に、さまざまな業務が発生します。それは、システム上の処理も同様です。

例えば、受注したと同時にそれまでに発生した費用が受注した案件に紐付けられたり、案件の番号が発番されて各種システムに連携されたりします。また、最近、総合建設業者(ゼネコン)のクライアントからは、「作成された実行予算の画面から、そのまま購買システムで購買手続きをしたい。購買ができたら、案件の原価管理としてデータが原価管理システムに連携されるようにしたい」といったご要望を伺うことがあります。

また、原価管理や会計領域でのジョイントベンチャー(JV)管理や進行基準計算も建設業だからこそ発生する業務であり、システムの標準機能でどこまで実現できるか、海外も含めてどのようにシステムで実現するかの検討が難しい領域でもあります。

PwC Japanグループの建設チームでは、このような建設業における工事案件ベースでの業務の流れやアプリケーションに関する豊富な知見を持ち、クライアントの業務における今後のありたい姿を描く支援や、システム導入の伴走を提供します。

主要メンバー

木村 安孝

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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豊島 久美子

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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