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PwC Japanグループ内の法人の垣根を越えて、「輪島塗を継承すること」を軸に被災地の復興支援活動を行った4名が、プロジェクトの経緯や思い、その中で感じた自身の成長やxLoSの強みについて語りました。
PwC Japan有限責任監査法人
リスクアシュアランス部
マネージャー
T.Suzuki
PwC Japan有限責任監査法人
リスクアシュアランス部
シニアアソシエイト
H.Fukami
PwCコンサルティング合同会社
EU&R(エネルギー・素材事業本部)/GXビジネス開発推進室
パートナー
S.Nakatani
PwCコンサルティング合同会社
EU&R(エネルギー・素材事業本部)
アソシエイト
Y.Daiho
金沢市内でワークショップを開催。
輪島塗の継承や業界を盛り上げるための活動の他、令和6年能登半島地震の復興を支援
2024年1月に発生した令和6年能登半島地震により、能登半島全体が大きな被害を受けました。なかでも輪島市の被害は大きく、伝統工芸品の輪島塗を生業にする職人たちの生活は困難な状況に陥ってしまいました。輪島塗は完成までに120を超える工程があり、分担作業でものづくりを進めます。被害の影響で職人がそろわず、いま輪島塗そのものの存続も危ぶまれているのです。
そこで、「輪島塗を継承すること」を軸に被災地の復興を支援するため
PwC Japanグループ内で有志を募り、xLoSでコモンズ活動(※)を開始しました。2024年8月には北陸先端科学技術大学院大学 知識イノベーション研究センター長 白肌 邦生教授、郷右近 英臣准教授や学生、輪島塗の職人さんとともに金沢市内で「輪島塗の未来を考える」をテーマにワークショップを開催。本活動で輪島塗の継承や業界を盛り上げていくことに貢献し、能登の復興につなげていきます。
※コモンズ活動とは……
PwC Japanグループには、Collective Impact Baseとよばれる社会課題解決に向けてコミュニティを形成し、将来的には政策提言やサービス開発につなげ、「コレクティブインパクト」を創出することを目指す取り組みがあります。その中の一つ、コモンズ活動ではPwC Japanグループで働くメンバーが興味関心のある社会課題に取り組むことができます。
xLoSについて
PwC Japanグループは、xLoS(cross line of services)としてさまざまなチームと、部門や組織の壁を越えて「協働」を行い、個々では解決できない課題に対して向き合っています。
そんなコラボレーションストーリーをご紹介します。
―本プロジェクトに取り組むことになった経緯を教えてください。
T.Suzuki
石川県の金沢出身ということもあり、震災のニュースを聞きボランティアでもいいので、何らかの支援活動ができないかという想いを抱きました。PwC Japanグループでは、自分が関心のある社会課題を持ち寄り、仲間とともに学び、解決に向けて取り組むことができる制度があります。最初の段階では具体的な支援の内容まではまだ決まっていませんでしたが、まずは行動しようと考え発起人としてコモンズ活動を立ち上げました。
H.Fukami
私も石川県の出身です。地元で大規模な災害が起こり多くの方が苦しんでいる状況を目の当たりにし、自分にできることは何かないかという想いを持っていました。そんなときに復興支援を目的とした本プロジェクトの活動を知り参画を決めたのがきっかけです。
Y.Daiho
神戸出身の私は幼いころから阪神・淡路大震災の話を聞いたり、学校で当時の様子を学んだりする機会がありました。のちに地元の賑わいが失われつつある状況から地方創生に関心を持つようになり、地域の復興を支援する活動に貢献したいと考え、その想いをパートナーのNakataniさんに伝えてみたところ、「こんなコモンズ活動があるけど参加してみたら?」と声を掛けてもらったことが参加のきっかけです。
S.Nakatani
2011年の東日本大震災で被害を受けた福島県内にある事業者の支援を6年ほど担当させていただき、人生において大きな学びとなりました。今回の能登半島地震においても何らかの形で支援に関わりたいと思っていたところ、今回のプロジェクトを知り参加することになりました。
―“被災地の復興支援”という難しい課題に向き合うことで感じた思いを教えてください。
T.Suzuki
プロジェクトの立ち上げ当初、“能登半島の復興を支援する”という大枠は決まっていたものの、じゃあ具体的に何をしようかと考えていたところにご縁があって、輪島塗の職人さんとつながることができたんです。集まったメンバーはそれぞれ能登半島を支援したい、助けたいという想いを持ってくれていましたが、チームとして実際にどう進めていくのかというチームマネジメントに苦労しました。
H.Fukami
輪島塗の未来を考えるプロジェクトは、災害からの復旧ではなく、被災前の状態から再生し再び盛んになる状態、つまり“復興”のフェーズを目的とし活動しています。能登半島では復旧から復興に移る段階で水害を受けてしまった地域もあり、現地の方たちにとっては「今そのプロジェクトを受け入れることができる状態なのか」という懸念も。頻繁に地元の方とコミュニケーションを取るようにしていましたが、物理的な距離があるのでなかなか現地に行けないという課題もあり、そんな状況下で活動をどう進めていけばいいのか判断しなければならなかったのがとても難しかったです。
Y.Daiho
地元の方々の想いと私たちの行動にずれが生じてしまうと、これまで築き上げてきた信頼関係は一気に崩れてしまいます。職人の方とお話をさせていただく機会もありますが、輪島塗に携わる方々がこれからどうしていきたいのか――。その想いをしっかりと受け止め、寄り添いながら進めていくことが大切だと感じています。
S.Nakatani
支援をさせていただく側が独りよがりになってしまっては上手くいきませんし、だからといってあまり気を遣い過ぎてもいけません。そのバランスが難しいところではありますが、まずは被災地の方々や支援に関わる方々の声を聞き、そこから何ができるのかを話し合いながら次のアクションにつなげていこうとしています。具体的な成果が出るのはまだまだ先になりそうですが、次回のワークショップではより充実した活動ができるのではないでしょうか。
―今回のプロジェクトを振り返って、どんなところに成長を感じましたか。
S.Nakatani
私は石川県とは縁もゆかりもなく、輪島塗という伝統工芸は知っていましたが、「どうやって作られているのか」「どれだけの職人さんが関わっているのか」など、これまで考えたことがありませんでした。この活動を通し、製作にはとても複雑な工程があることに驚くと同時に、知っているつもりでも見過ごしている情報が多いことに気づかされました。私は仕事において“プロフェッショナルであること”を大切にしていますが、その一方で注力しすぎるあまり視界が狭くなっていくこともあります。物事を突き詰めつつも、大事な情報を見落としてしまわないよう、社会との向き合い方について考えさせられました。
H.Fukami
今回初めてコモンズ活動に参加しましたが、法人や職階も関係なく「能登半島の復興のために何かできることはないか」という共通の想いを持ち、垣根を越えて活動していることにとても刺激を受けました。成長の面でいうと、このプロジェクトは監査の仕事とは直接結びつくところはないだろうと思っていましたが、ワークショップのテーマを設定する際に「輪島塗はどういう産業で、どういうステークホルダーがいるのか」など現状を整理した上でどのような価値を生み出すのかを考えなくてはいけません。“課題解決”という視点では監査業務もコモンズ活動も同じ、ということに気づきました。ここでの学びはこれからの仕事にも生かせると感じています。
Y.Daiho
xLoSで法人や部署の垣根を越えたメンバーが集まっていますが、みなさんと一緒に活動することで非常に刺激をもらっています。例えば、Fukamiさんは職人の方と打ち合わせをするときに信頼関係を第一に考え、みなさんの反応や感触を掴みながら臨機応変に話を進めています。その姿勢がとても勉強になりましたし、xLoSで自分とは異なるバックグラウンドを持つメンバーの視点や考え方を知ることができ自分自身の成長にもつながると思いました。
―PwC JapanグループのxLoSの強みを教えてください。
T.Suzuki
さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、お互いに足りないところを補い合えるところが強みだと思います。私は発起人ではありますが、実は率先して人を引っ張っていくタイプではないので(笑)、それぞれ互いに強みを持つメンバーが集まりサポートし合ってこそ、このコモンズ活動も円滑に進んでいるのではないでしょうか。
H.Fukami
所属する法人は異なりますが、「PwC Japanグループに所属するメンバーの一員」という強い意識をみなさんが持っているからこそ、壁を感じることなく協業ができているのだと思います。xLoSで人と人との出会いが増えることは仕事の面でも大きなメリットですし、みなさんが各分野のプロフェッショナルなので困ったときには「あの人に聞いてみよう」と気軽に相談したり、xLoSで協業したりすることで、法人や部門間の垣根を越えた好循環が生まれていると実感します。
Y.Daiho
今回の活動のようにPwC Japanグループの多様なメンバーがつながることで、さまざまな意見が生まれ、そこから最善を導き出せるのがxLoSの強みだと考えています。輪島塗を継承していくためには、伝統文化を守るだけではなくビジネスとして持続可能なモデルをつくっていかなければいけないと思います。職人さんの声や地元のみなさんの想いに寄り添いながら、そういった支援を今後も続けていきたいです。
S.Nakatani
法人や部署、職階関係なく、同じように意見を出し合って良いものがあれば受け入れ、働くみんながフラットな関係でいられるというのは、PwC Japanグループに根付くカルチャーだと考えます。さまざまなバックグラウンドの方の意見を聞くことで私自身も新しい目線や感覚を学ぶことができ、とても刺激になっています。
今回の活動のように誰かが「能登半島の復興を支援したいので参加したい人はいませんか」と声を掛けると、普段仕事で関わりのない人たちが集まり活動することができます。そんな、垣根を越えた新たな出会いがある環境は他にはない魅力だと思います。今回のインタビューが、被災地や輪島塗への関心を高める一助になれば幸いです。
PwC Japan有限責任監査法人
リスクアシュアランス部
マネージャー
T.Suzuki
2019年入社
国内ITベンダーを経て、2019年にPwC Japan有限責任監査法人(当時はPwCあらた有限責任監査法人)に入社。近年は官公庁や地方自治体における情報セキュリティ対策の評価業務に従事。
PwC Japan有限責任監査法人
リスクアシュアランス部
シニアアソシエイト
H.Fukami
2018年入社
SIer(システムインテグレーター)を経て、2018年PwC Japan有限責任監査法人(当時はPwCあらた有限責任監査法人)に入社。リスクアシュアランス部で主にシステム監査を担当する。
PwCコンサルティング合同会社
EU&R(エネルギー・素材事業本部)/GXビジネス開発推進室
パートナー
S.Nakatani
エネルギー・製造業を中心に20年以上のキャリアを有する。近年はPwCコンサルティング合同会社におけるエネルギー部門の担当パートナーとして、グリーントランスフォーメーションに関わる事業戦略や産業横断での新規事業開発などを推進。
PwCコンサルティング合同会社
EU&R(エネルギー・素材事業本部)
アソシエイト
Y.Daiho
2022年入社
新卒でPwCコンサルティング合同会社に入社。EU&R(エネルギー・素材事業本部)でガス・電力会社へのシステム導入プロジェクトに従事。
※ 法人名、役職、本文の内容などは掲載当時のものです。