プロジェクトストーリー

ボトムアップ型の活動が
デジタルカルチャーを醸成。
横連携で実現する全社DX

デジタル化が急速に進む昨今、PwC Japan合同会社では従業員一人ひとりのデジタルリテラシーの向上を図るために、毎年「デジタル・チャンピオン・ネットワーク」と呼ばれる取り組みを展開しています。

PwC Japanグループのデジタルトランスフォーメーション(DX)には、ビジネスパートナーとして各法人のビジネス活動を支援するコーポレート部門の一層のデジタル化が不可欠であり、この取り組みは、PwC Japanグループ全体のDX推進につながる活動となっています。

各部門から選出されたデジタルチャンピオン※1とデジタルメンター※2が中心となり、部門横断型でさまざまな施策を検討・実施。テクノロジーを活用することへの意欲を高めています。

今回は、実際にこの取り組みに参画した3名が、具体的な活動内容や成果などについて紹介します。

※1 各部門におけるデジタルカルチャーの醸成やデジタルツールの導入をリードし、PwC Japan合同会社におけるDXを推進するメンバーのこと
※2 デジタルチャンピオンのもとで、各部門のデジタルアップスキリングやDX施策を推進するメンバーのこと

【対談者】

H. E.:人事部門(Human Capital)

H. E.

人事部門(Human Capital)のデジタルチャンピオン。2019年3月入社。Demand Managementチームで、会計士やコンサルタントのスキルやキャリアパス、プロジェクトのリソース需要を見極め、適材適所に人員をアサインする業務を担当。稼働率の分析や将来予測などのデータマネジメントも担っている。デジタルメンターは2年前に経験。

A. F.:プロフェッショナル サポート部門(Professional Support)

A. F.

プロフェッショナル サポート部門(Professional Support)のデジタルメンター。2020年6月入社。主にPwCコンサルティング合同会社を対象に、クライアント契約に係る社内手続きや案件管理のアシスタント業務を担当。

T. T.:IT部門のデジタルチャンピオン。

T. T.

IT部門のデジタルチャンピオン。2021年8月入社。IT部門にて、グループ内法人で使用するシステム全般の保守・運用サポート・改善などを担当。

デジタルにチャレンジする
意欲向上を目指した
ボトムアップ型の活動

――デジタル・チャンピオン・ネットワークの取り組みはいつ、どのようにして始まったのですか。

H. E.(デジタルチャンピオン)
この取り組みが始まったのは2020年です。ちょうどその頃、当社でBIツールを導入することになり、部門ごとに講師を立ててハンズオン研修を行ったのですが、それだけでは実際の業務でなかなか使ってもらえないという課題が残りました。

というのも、「研修だけでは使い方がよく分からない」という人や、なかには「そもそもBIツールに興味がない」という人がいたからです。そこで、まずはテクノロジーに対するハードルを下げるための環境づくりが大切だという発想が生まれ、部門の枠を超えた取り組みとしてスタートしました。デジタルにチャレンジする意識を全社で高めていくことが、私たちの活動の目指すところです。

図 デジタル・チャンピオン・ネットワーク

※コーポレート部門をIFS(Internal Firm Services)と呼んでいます。

A. F.(デジタルメンター)
各部門で選出されたデジタルチャンピオンが、1年間の活動プランと具体的な内容を検討。デジタルメンターがサポート役として関わり、各部門での活動に落とし込んでいきます。

私たち3人が参画した期間(2022年7月~2023年6月)では、デジタルチャンピオンが15名、デジタルメンターが25名でした。チャンピオンの任期は原則2年、メンターは1年。それぞれ任期を終えると、次のスタッフに引き継ぎます。そうすることで、社内における当取り組みの経験者を増やし、デジタルマインドの継続的な向上を図っています。

T. T.(デジタルチャンピオン)
今期は、「BIツールのラーニングパスの作成」や「デジタルツール利用時のTips集作成」「(デジタルを用いた業務改善・価値創出を行った人を称える)デジタルアワードの運営」など5つのチームを立ち上げ、それぞれの活動に取り組みました。進捗状況は、月に1度デジタルチャンピオンが集まる定例会で共有。この取り組みは本来の業務を遂行するなかで行われるものなので、各自の繁忙期などを考慮してチーム内で実施時期を決定します。短期間で集中的に行うケースも多いですね。

H. E.
デジタル・チャンピオン・ネットワークはトップダウン型のプロジェクトではなく、あくまでボトムアップ型の活動。一人ひとりが“自分ごと”としてデジタルスキルの向上に取り組むことで、会社全体、そしてPwC Japanグループ全体のDX推進につなげていくのが狙いです。

各部の課題は三者三様
利用者に寄り添う
血の通ったアイデア

――ご自身が取り組んだ具体的な活動内容について教えてください。

T. T.
私は「BIツールのラーニングパスの作成」チームに所属し、メンバー4名とともにBIツール初心者のための学び方をまとめたサイトをつくりました。世の中にはさまざまなラーニングコンテンツがありますが、「どれを使えばいいのか」「何から手をつけていいのか分からない」といった声をよく耳にします。そこで、「この順番で勉強すると分かりやすい」という学習プランを作成しました。

A. F.
デジタルメンターの私は、「デジタルツール利用時のTips集作成」にチームで取り組みました。メンバーである4名には、IT部門のエンジニアの方もいれば、デジタルに関してあまり詳しくない方もいました。最初は、より高度なツールを紹介していくというアイデアも出たのですが、みんなで話し合ううちに「DXを身近に感じてもらえるような情報こそ必要」という結論に至りました。そこで、BIツールを活用するなかで知っておくと便利な方法を集めて整理し、誰もが利用しやすいようにイントラサイト上に公開しました。

H. E.
私が取り組んだのは、人事部にフォーカスした活動です。人事部は当社の中でも規模が大きく、200名を超えるメンバーがいます。デジタルメンターも9名いるので、私を含めた10名でチームを編成し、デジタルアップスキリング関連のeラーニング講座の受講完了率100%を目指すことにチャレンジしました。というのも、人事部の前年の受講完了率は50%程度だったのです。「80%」を目標設定にすると、「20%の人はやらなくていい」というメッセージを与えかねないので、強い覚悟をもって「100%」を目指しました。

――それぞれ活動を進めるなかで、どのような点に最も注力しましたか。

T. T.
工夫したのは、ラーニングパスを作成する際、1つのページの中で完結する内容にしたところですね。複数のページを行ったり来たりするのではなく、そのページさえ見れば一目で分かるようにし、学習時間の目安も掲載しました。自分たちがBIツールを修得する時に感じた、「こういうものがあればよかった」という視点を活かした結果です。

A. F.
私はチームの活動に加え、日常業務のなかですぐに使える「デジタルツールの活用法」をイントラサイトで情報発信することを始めました。例えば、ショートカットキーを使って簡単に処理を行う方法などです。これまでは近くの席にいる先輩が教えてくれることが多かったのですが、リモートワークではそうもいきません。そこで、「私はこんなふうに業務のなかで使ってみました」と動画で紹介したところ、「こういう情報を知りたかった!」と大好評。ポジティブな感想が届いたことで、やってよかったととてもうれしく感じました。

H. E.
私の場合、eラーニングの受講完了率を上げるために、部内のファンクションごとに受講完了率を競う対抗戦を企画しました。月に1度完了率を発表し、やる気を喚起するというものです。ほかにも、未受講者の方に個別にアプローチしたり、デジタルメンターの方々に声かけをしてもらったり。eラーニングのための勉強会も開催しました。おかげで、前年よりも受講完了率が大幅に上がったのはうれしかったですね。

デジタル・チャンピオン・ネットワークを通じて
ともに学び、協力し合う
PwCカルチャーを実感

――デジタル・チャンピオン・ネットワークに参画してみて、どんな気づきがありましたか。

H. E.
この取り組みは一過性のものではなく、継続して行う取り組みなのだと実感しました。実は、2年前にデジタルメンターとして参画したとき、人事部内で「HC Digitalなんでも相談室」というチャットルームをつくったんです。デジタルに関する疑問点が出てきた時にそこに書き込めば、社内の分かる人が答えてくれるというもの。回答者をチャンピオンやメンターに限定しなかったため、タイムリーに回答してもらえ、質問した人が置き去りになることはありませんでした。このチャットルームは現在も活発に機能しており、お互いにデジタルリテラシーを高めることに役立っています。

A. F.
私が所属するPS(Professional Support)部門にも、同様のチャットルーム「DX効率化自動化相談室」があります。この取り組みの中でつくられたチャンネルではないのですが、それを通じてマインドセットの改革が浸透した結果、部内で自発的に生まれました。分からないことをそのままにせず、相互に協力し合うという、PwC Japanグループならではの発想ですね。

――メンバーとの協働作業はいかがでしたか。

T. T.
入社1年目にこの取り組みに参加したのですが、普段はなかなか他の部門の方と関わりが少ないので、そういった方々の人となりや業務内容を知る絶好の機会となりました。部門を超えて相談できる人脈をつくることができて非常に有意義でした。

A. F.
同感です。メンバーは部門の枠を超えて集まるので、さまざまなバックグラウンドやスキルをもった方がいて興味深く、とても勉強になりました。私自身、もともとデジタル領域に関心があり、独学でプログラミングに挑戦していたのですが、チーム内にエンジニア職の方がいたので、直接具体的な教えを請うことができました。

H. E.
実をいうと、今回デジタルチャンピオンを引き継いだとき、私に務まるだろうかと不安がありました。前任者はシニアマネージャーで、人事部の中でもDXを推進するセクションに所属する方だったからです。しかも9名のデジタルメンターのなかには初めてお目にかかる方もいて、当初は少し緊張気味でした。

ところが蓋を開けてみると、職階の高い方たちが率先して「私たちはリーダーであるEさんに付いていきます!」と盛り上げてくれて、一気に不安は解消され、以降はスムーズに活動を進行することができました。一人ひとりが互いに気づかうカルチャーが根づいていることを感じましたね。

T. T.
そうですね。職階の高い方でもフラットに話せて、風通しの良さを感じます。

A. F.
私たちもこのカルチャーを次の代に受け継いでいきたい。デジタル・チャンピオン・ネットワークの活動はこれからも続いていくので、新しい仲間の方にもぜひ加わっていただけたらと思います。

{{filterContent.facetedTitle}}

応募エントリー

募集職種一覧より、ご応募ください。

キャリア登録

今すぐの応募でなくても、興味をお持ちの方はこちらにご登録ください。