3カ国で得た経験とスキルを武器に、クロスボーダーのプロフェッショナルへ

S.Diederichs
Corporate Finance | ディレクター

PwCドイツでのインターンを経て、日本のPwCアドバイザリーに入社。以降、日本・ドイツ・英国の3カ国での勤務を経験しました。近年は主に、コーポレートファイナンスの分野でクロスボーダーのM&Aプロジェクトを担当。英国出向をきっかけに、エネルギー・ユーティリティ業界へのオリジネーション業務にも取り組んでいます。

海外赴任を通して、信頼獲得のすべを学ぶ

これまで、日本・ドイツ・英国の3カ国で業務に取り組みました。この経験は、国ごとの文化的な差異への理解度や、多様な方と円滑にコミュニケーションを取る能力の向上など、私のキャリアを大きく成長させてくれたと感じる一方で、乗り越えなければいけない壁があったことも事実です。

例えば、赴任初期の信頼関係の構築ですね。同じ国・同じチームに長年所属していれば「この仕事はSandraさんに任せよう」と、ある程度私のバリューを理解してさまざまな案件に関与させてもらえるでしょうが、新天地では、これまでのキャリアも保有するスキルも当然知られていません。信頼獲得の近道は何か。3カ国の経験で見つけた答えは、業務のサポートを通して自身の能力を知ってもらうことです。例えば、モデリング分野のメンバーには「作成したモデルの第三者レビューを任せてもらえませんか」と自ら提案しました。モデリングに取り組む側は自分では気付けないエラーを発見できるため、喜んでOKを出してくれます。そこで丁寧なチェックやレビューを行うことで信頼を獲得し、「次はこのプロジェクトに入ってもらえないかな」と声がかかるようになるのです。

海外赴任でM&Aにおける直接的な知識やスキルが獲得できるのはもちろん、新たな環境でバリューを発揮する方法も学ぶことができましたね。

キャリアと生活を応援するカルチャーがあるから挑戦できる

PwCで働く中で感じるのは「挑戦を応援する」カルチャーです。特に、2022年の英国赴任の際はそれを実感しました。前年にシニアマネージャーに昇進し、エネルギー・ユーティリティセクターに所属したのですが、周囲には電力会社や電機メーカー出身のプロフェッショナルばかり。このセクターで業務を行うにはあまりに知識が不足していると感じ、電力分野の先進性が高いロンドンに拠点を置くPwC英国への出向を希望し、承認を得たのです。もちろん赴任先で需要があることが前提ですが、成長のためなら国や部門を横断してキャリアを高めていけるような土壌がありますね。

また、どの国に行っても感じるのが「Care」です。一人一人の背景や事情を理解し助け合うこのカルチャー。日本では、時差のあるクロスボーダー案件に無理なく対応するため、テレワークやフレックスタイム制度でワークライフバランスがしっかりと「Care」されています。また英国では、業務開始前のランニングでけがをし、上司に遅刻の連絡を入れたところ、最寄りの病院や医療制度を丁寧に教えてくれた他、翌日以降もチャットや電話で定期的に連絡して、回復状況を気にかけてくれました。このカルチャーがグローバルで浸透しているからこそ、多くの職員が安心して新天地に挑戦できるのだと思います。

キャリアストーリー

PwC入社と日本勤務の、両方の夢を叶える

ドイツの大学に所属していた際に日本への留学を経験したのをきっかけに、卒業後も日本で働きたいという想いを抱きました。帰国後はPwCドイツのインターンに参加し、バリュエーションチームおよびジャパンデスクと呼ばれる在独日系企業向けのサービスを提供する部署の2部署で合計2カ月間の業務を経験。インターンを終えるころには、PwCは自分に合っている環境・メンバー構成だと感じ、就職したいと考える一方で、日本で働く夢も叶えたいという双方の想いがより強くなっていきました。PwCアドバイザリーのバリュエーションチームに新卒で入社できたことで、その両方の夢を叶えられたことはとても嬉しく思っています。

異文化への理解が、以降のクロスボーダー案件にも生きる

2015年からの2年半はPwCドイツに所属し、主にジャパンデスクにて在独日系企業に向けて税務目的の価値評価、移転価格レポーティング、確定申告、税務調査対応支援、税務デューデリジェンスなどの幅広い税務アドバイスを提供しました。日本のバリュエーションチームにいた時は日系企業の海外投資を支援していたため、ジャパンデスクでは、日系企業が実際にドイツで事業を行う上でどういったところが論点になるかが見えるのが非常に興味深かったです。その後税務からディールに戻ったのですが、財務モデリング業務の中の税金関連計算、またはFA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務の中の税務デューデリジェンスの論点理解などの税務の知識はディール業務のさまざまな場面で引き続き役に立っていると感じています。

スキルと経験の両面を重ね合わせ、バリューを発揮

2017年に日本に帰国してからはモデリングの業務に取り組みました。特に印象に残っているのは、クライアントであるドイツ企業が日本企業を買収するプロジェクトの、財務モデリングを担当した時のことです。当初はモデリングのみが業務範囲でしたが、私の企業理解の深さや、ドイツと日本の両方のカルチャーへの理解度を評価してくださり、相手企業との会議にも参加してほしいと依頼していただけたのです。業務範囲を超えてバリューを発揮し、プロジェクト終了後にも、さまざまなご依頼をいただけたこの案件。モデリングにおける企業理解スキルと、これまでのキャリアの経験のミックスで、クライアントに貢献できた事例として大きな自信につながりました。

さらなる専門性を得るため、英国へ

シニアマネージャーになると、業務軸だけではなく、業界セクター軸の専門チームに所属することになります。私はエネルギー・ユーティリティセクターに所属したのですが、さらなる専門性を高めるため、電力分野の先進性が高いロンドンに拠点を置くPwC英国への出向を希望して承認を得ました。現地ではM&Aの支援業務に加え、国家主導のエネルギー関連施設の新設プロジェクトにも参加。エネルギー分野の最前線で知見を深められたことや、複数の国家や企業が関わる大規模なプロジェクトに中心にいられたことは、非常に有意義な経験になりましたね。

日本と欧州を結ぶ役割を目指す

2024年に再び日本に帰国し、ディレクターとして勤務しています。ファイナンシャルアドバイザーとしてM&Aを成功に導く業務に加え、エネルギー・ユーティリティ業界における「ディールオリジネーション業務」も担っています。後者の業務では広く業界を理解し、常に業界および主要プレーヤーの動きを追い続ける必要があります。また、そうした情報とクライアントとの対話から得られる先方の戦略・課題認識やニーズを結び付けることで、クライアントの戦略達成や課題解決に貢献することを目指します。その際、英国出向中に築いた英国や欧州のチームとのネットワークも非常に重要です。入社してから10年以上が経ちましたが、いまだに新たな刺激に溢れていますね。