PwC税理士法人 パートナー プライベートビジネスサービス

佐々木 真美(Mami Sasaki)

 

ファミリービジネスの専門的かつ総合的支援

ファミリービジネス支援に携わる思い

PwC税理士法人では40年程前から専門部署を設け、ファミリービジネスの支援に取り組んできました。日本企業の大半を占めると言われるファミリービジネスを長期的な視点で支援することが、クライアントの発展に寄与するだけでなく、地域社会や日本経済の健全な発展にもつながる、そのような強い思いで、日々ファミリービジネスの支援に向き合っています。

ファミリービジネスの特徴と私たちの信念

ファミリービジネスの特徴は、支配権、財産権(またはその両方)を創業の家が有することにあります。ビジネス上の意思決定がファミリーに影響し、逆にファミリーの意向もビジネスに影響を及ぼす点で複雑に絡み合っています。私たちの仕事において重要なことは、このビジネス軸とファミリー軸の結節点に立つ気持ちで、双方を意識しながら支援することです。ある特定の個人にとって最も合理的な選択が、必ずしもファミリーあるいはビジネスにとって最適解とは限りません。例えば、相続時の納税資金を捻出するために株式を買い取ってもらう行為が他のファミリーの保有する株式の承継負担を不用意に上げてしまうこともありますし、ファミリーメンバーの短期的な資金要求がビジネスの成長投資を阻害してしまうこともあります。だからこそ、すぐに答えを求めるのではなく、まずは問いを重ね、対話を通じて各ファミリーの想いに寄り添い、ファミリーにとっての最適解を形づくる意識が重要だと感じます。こういったプロセスそのものが、私たちの支援の一つであり、クライアントの皆さまとの真の信頼関係の土台になると信じています。

外部環境の変化と税理士法人のサービスの変遷

事業承継には贈与税・相続税などの税負担がつきものであり、伝統的な支援は税負担の側面に焦点を当てたものが中心でしたが、近年は、後継者不足や外部環境の急速な変化を背景に、親族外承継や、所有と経営を分離するケースも増えてきています。また、世代が進むにつれ株主数が増えたところに、親族外の関与が加われば、当然にガバナンスの重要性が増してくるでしょう。

さらに、創業企業の株式などの目に見える資産に加え、創業者精神や価値観、長年かけて構築されたブランドや信頼といった無形資産をどのように承継していくか、といったファミリービジネス特有の課題に着目されるクライアントも増えており、クライアントの事業承継を真の意味で支援していくためには、税金だけの側面で議論するのは限界がきているように思います。

多様性のあるチームで広範囲支援

私自身も、法人税部門や金融部門など他部門における経験がありますが、当部門には多種多様なバックグラウンドをもつ、個性と熱意にあふれたメンバーが集まり、幅広いファミリービジネスの課題に柔軟に対応しています。創業家のファミリーの皆様一人一人の声に真摯に向き合いながら、寄り添って対応することを大切にしており、ビジネスの規模や種類によって、税理士法人だけでは対応が難しい場面では、PwC Japanグループの他法人のプロフェッショナルと密に連携し、ワンチームで支援を行っています。

国際×ファミリービジネスのサービス

国際資産税の専門性を強みに、次世代への希望の架け橋をつなぐ

人や資産が国境を越えて存在するケースでは、事業や資産承継の場面で、国際資産税(クロスボーダーでの相続や贈与)にかかる知識や経験が必須です。時間をかけて事前に承継の準備をしておくことが、必要以上の税コスト負担や各国でのコンプライアンス違反を未然に防ぐために重要であると考えています。

私自身、国際資産税案件を日本の居住者の方、外国居住の方、外国籍の方含めて提供した経験が多くあり、チームでの実績も蓄積されています。国際資産税案件は、クライアントの他、PwCのグローバルネットワーク、海外の弁護士や会計士、顧問税理士、国内外の金融機関といった数多くの関与者と短期間に連携しながら進行します。複数の法域にまたがる論点と優先度を整理し、全体を統括し、事業承継案の提示や相続税申告書等を仕上げる難易度の高い業務だといえます。だからこそ、複雑な課題を解決できた時に、この仕事の意義を実感します。

NextGen支援サービス

PwCがグローバルで展開している「NextGen」という取り組みでは、次世代経営者に向けた育成支援やネットワーキングの機会も提供しています。カリスマ創業者のもとで事業が拡大した後、次世代経営者が葛藤や孤独を抱えるケースは少なくありません。私は日本のNextGenのリーダーとして、次世代経営者同士の横のつながりを通じた学びや対話の場を提供し、ファミリービジネス企業のサステナブルな発展に貢献できるよう支援しています。

国際的にファミリービジネスを支援していく使命

PwCはグローバルなネットワークを活かし、ナレッジ、スキル、リソースを共有しています。これにより、各国固有の法制度・規制・業界実務に関する知見を活かしつつ、国際的に高品質なサービス提供を可能にしています。ファミリービジネスの分野においては、欧米では、ファミリーを対話と文書化を通じて統治する発想が発達しており、家族憲章を例として、ファミリーの価値観や創業者のスピリット、入社のルール、紛争解決ルールを明確にする言語化が進んでいます。一方、日本では言語化が決して進んでいるとはいえない環境の中でありながら、創業100年以上の世界に誇れる長寿企業が多くあります。この事実から考えられるのは、日本の文化や日本のファミリービジネスには特有の背景があり、必ずしも、欧米の状況をそのまま日本のファミリービジネスに取り入れれば良いというわけではないということです。言語化・明文化されていない欧米企業にとっても参考となる取り組みがあるはずです。

NextGenの日本におけるリーダーとして、かつ、PwC Japanグループのファミリービジネス支援サービスの共同リーダーとして、欧米の事例を研究し日本のファミリービジネスにあった方法を模索するだけでなく、世界に誇れる日本のファミリービジネスの特徴を見いだし世界に発信していく。それが自分の使命だと感じています。

略歴

税理士。金融機関や国内外法人に対する税務申告・コンサルティング業務、クロスボーダーでの不動産や株式投資スキームに関する税務コンサルティング業務、事業承継対策支援などに携わる。現在は、オーナー系企業や富裕層の個人を対象とし、国際資産税分野を含む承継対策を中心に提供。また、PwCの「NextGen」の日本におけるリーダーとして、若手経営者やファミリービジネスを担う次世代リーダーを包括的に支援する取り組みにも従事している。

消費財・小売・流通業界における 企業の成功要因

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