営業秘密の窃取がもたらす経済的影響

2014-09-16

近年、わが国の企業では、業務委託先社員によって大量の顧客情報が名簿業者に売却されたり、提携先社員が研究データを持ち出して外国企業に転職するといった事件が発生しました。このような営業秘密を窃取する事案は、日本だけに限らず世界各国でも深刻な問題になっています。
PwCがCREATe.orgと共同で調査したところ、営業秘密の窃取による損失額は先進工業国の国民総生産(GDP)の1~3%にも相当すると推定されています。

こうしている今も、営業秘密が窃取されているのかもしれません。営業秘密を狙っている人々は、悪意のある内部者、競合企業、外国の諜報機関、国際犯罪組織など多岐にわたっています。また、犯行手口は高度なコンピュータ技術を使ったサイバー犯罪から、巧妙なソーシャルエンジニアリングなどへと、ますます複雑化しています。

営業秘密の窃取という脅威に対して、企業や組織はどのような対応を取るべきでしょうか。

本書は、その示唆となりうるフレームワークを明示しています。このフレームワークは、PwCとCREATe.orgがそれぞれのグローバルな経験やナレッジと、多くの企業や組織へのインタビュー結果を組み合わせて共同開発したものです。
本書のフレームワークを活用することで、営業秘密の保護強化を行うための優先度や費用対効果が明確になり、経営資源を戦略的に配分することが可能になります。