皆さん、いわゆるマイナンバーへの対応状況はいかがでしょうか?

2015-04-03

皆さん、いわゆるマイナンバーへの対応状況はいかがでしょうか?
私たちPwCあらた監査法人が番号制度対応を支援している経験から、各企業において検討しなければならない代表的なポイントを3点解説します。

正確には社会保障・税番号制度(以下、番号制度)と言います。テレビCMで宣伝されているように、本年10月には国民へのマイナンバーの通知が開始され、来年1月から行政手続きでの利用が開始される予定となっています。現行個人情報保護法と異なり、番号制度ではマイナンバーを1件でも取得すると個人番号関係事務実施者となることから、ほとんどの企業が対象となる制度です。

今回は、私たちPwCあらた監査法人が番号制度対応を支援している経験から、各企業において検討しなければならない代表的なポイントを以下3点解説します。

1. いつ、だれが、どうやってマイナンバーを取得するのか

従業員の方および従業員のご家族の方から、マイナンバーをいつ、だれが、どうやって取得するのかを決定する必要があります。「いつ」という点に関しては、おそらく多くの企業では厚生年金の乗率改訂実施前の収集になるかと思われます。漏れなく対象者から収集する方法を検討する必要があります。 また、人事給与システムがいわゆるパッケージである場合には、バージョンアップで対応する話をよく聞きますが、マイナンバーを保管するシステムがパッケージ内に確保されているだけですので、漏れなくいつ、だれが、どうやって取得するかというマイナンバーを取得するプロセスは、検討のうえ決定する必要があります。

番号法の特徴としてマイナンバー取得時に明示した利用目的に応じた利用が求められており、利用目的が異なる場合には、再度利用目的を明示した後、収集することが求められています。そのため、収集においては可能な限り想定される目的を予め検討した上で利用目的を呈示することが必要となります。
 

2. 取得したマイナンバーをどのように保管、削除するのか

取得したマイナンバーは、アクセスできる方を特定し、一定水準以上のセキュリティを確保した環境で保管されることが番号法上で求められています。また利用目的を遂げた場合に速やかな削除が番号制度では求められています。 そのため、収集したマイナンバーをどのように保管/削除するのかを検討する必要があります。 また従業員の退職などに伴い、マイナンバーの利用目的を遂げるケースが想定されますが、いつマイナンバーを削除するのかなど、各マイナンバーの記載が求められている法定調書の保存期間などを参考にしつつ、保有に係る安全性および事務の効率性なども含めて検討する必要があります。

3. 個人委託先からのマイナンバーの取得・身元確認をどのようにするか

個人事業主に対して契約を締結している場合には、支払調書に個人事業主のマイナンバーを記載することが求められます。 そのため、個人事業主、例えば顧問弁護士、セミナー講師、産業医、社宅を個人から借り上げている場合など、業務を委託している場合には依頼元部門などが個人委託先のマイナンバーの収集、および身元確認を実施して支払調書作成部門に連携する必要があります。
 

 

以上、今回のコラムではマイナンバー対応において検討すべきポイントを例示いたしました。自社のマイナンバー対応においてご懸念がある場合には、対応すべき他のポイントも含めてアドバイスいたします。ぜひご相談ください。

PwCあらた監査法人
システム・プロセス・アシュアランス部 ディレクター
綾部 泰二