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2018-12-20
2部構成の本シリーズの前編では、データ活用に伴う主な機会とリスクを取り上げ、世界的な規制と規制当局の重点領域の移り変わりについても指摘しました。
後編では、これらの機能や慣習の発展の指針となるデータ活用ガバナンスに組織的に取り組むことで、成熟度を高める方法について考えます。これらの機能を確立すれば、データから最大限の価値を引き出すことができ、競争優位を獲得できるでしょう。
ビッグデータ、IoTやAIなど、ITの分野で注目されてきた最新技術により、既存の産業を根底から覆すデジタルディスラプションが起きる中、責任を持って合法的かつ公正にデータを利用し、データを十分に保護できるような、成熟したガバナンスアプローチが企業に期待されるようになります。
成熟したガバナンスアプローチを持つ企業は、企業全体でデータ活用の利点とリスクのトレードオフを連携して管理することができます。また、ビジネス要因や規制の変化に柔軟かつ速やかに対応することができます。
より具体的には、データの保存場所の他、アクセス方法や利用方法、保存方法を深く理解し、データ活用を効果的に継続管理するための慣習や機能の発展の基盤となるしっかりしたデータ活用ガバナンス構造を構築しています。
企業は、自らが作成し、アクセスする膨大な量のデータをどう扱うべきか、考えあぐねています。データの量だけではなく、データが社内外のさまざまなシステムに存在し、サイロ化していることも問題です。データの利用を含め、データ分類の原則を社内全体で確立することで、形態や所在にかかわらず、それぞれの種類のデータアセットを保護する方法が定まり、その種類のデータをどう利用すればよいのか、十分な情報に基づいて判断できます。通常、そのデータの利用が個人に及ぼす影響の度合いが大きいほど、意思決定の基になるデータの正確性、有効性、出所を慎重に確かめる必要があります。
データ収集および利用について理解を深めること以外にも、データ活用をより効果的に管理するための慣習や機能を開発し、ガバナンス構造を構築することも必要です。このデータ活用ガバナンス構造は、包括的で全社規模のものとする必要があります。また、ビジネス要因や規制の変化に対応できる柔軟性も欠かせません。また、既存のデータガバナンスおよびデータ保護構造との整合性を持ち、企業全体の情報ガバナンスを支えるものであるべきです。
組織的なデータ活用ガバナンス構造には、「戦略」、「人材」、「ポリシーとプロセス」、「モニタリングと改善」の4本の柱があります。構造の有効性、持続性、ニーズへの即応性を確保するために、それぞれにおいてすべきことがいくつかあります。
プライバシーへの取り組みの一貫としてのデータ活用ガバナンスは、さまざまなタイプの企業にとって戦略的な重要性が増し、データ活用が何らかの利点につながる機会は爆発的に増えていますが、それに伴って潜在的なリスクも増しています。企業が生み出すデータの量が膨れ上がり、取り扱いは困難になっています。
しかし、うまく運用している企業もあります。より成熟したデータ活用ガバナンス慣習を持つ企業は、データの利点をうまく活用するとともにリスク管理とコスト削減を実現することで、戦略的優位性を獲得しています。機能が未熟で十分な慣習を持たない企業は追いつこうと必死です。後れをとった企業は一刻も早く、自社が収集し管理しているデータの基本的な理解を深め、データ活用を継続的に管理するための組織的なガバナンス構造を定めて実装しなければなりません。