取締役および投資家向けインサイト 取締役会の構成 ~最近の潮流~

2016-07-13

企業は、新たなテクノロジーの出現、規制要件の改定、サイバーセキュリティなど、成功に影響を及ぼすと思われる多くの課題に直面しています。そのため、企業を効果的に監督するうえで、取締役会の専門知識、経験、多様な視点がこれまで以上に重要であるといえます。
加えて、投資家をはじめとするステークホルダーは、取締役会の構成に対して影響力を及ぼそうとしています。すなわち、取締役候補者に関する詳細な情報を求め、取締役の指名に際して、取締役会とその指名・ガバナンス委員会が取締役の在任期間、取締役会の多様性、取締役会の自己評価の結果を適切に考慮していることを確認したいと考えています。こうしたことは、物言う株主が積極的に行動する環境下で起きています。
このような中で、米国では、一定数の株式を取得した株主が、一定数の取締役候補者を委任状勧誘書類に掲載するよう求めることができる掲載請求権(proxy access)を導入する企業が増えています。これは、この2年間でガバナンス関連の最重要課題となっており、多くの株主が、株主権利のための一歩であると感じいるとともに、取締役会がその構成に目を向ける要因にもなっています。
このような状況をふまえ、「取締役および投資家向けインサイト」では、取締役会の構成に対する取締役と投資家の見解を概説し、取締役会の刷新に関する重要課題を明らかにしています。

日本においても、コーポレートガバナンスコードの適用開始により、取締役会の在り方が見直されています。取締役会の在り方を検討する際に、米国の取締役と投資家の視点を参考にしてください。
(2016年5月オリジナル英語版公表)