Taplin Real Estate 業務執行取締役/オーストラリア/不動産
その息子、Andrew Taplin氏が、現在は業務執行取締役として、Taplinを現在の成功に導いた昔ながらの価値観を信じ、同じ情熱で事業に取り組んでいます。
「私の父は、このビジネスが、オフィス一つの従来の不動産業者から、何百人もの顧客を持ち、何十億米ドルもの資産を管理する大手資産管理会社へと成長するのを予見していました。創業は世界大恐慌のさなかで、夢しかありませんでした。だからこそ、常に一番下からスタートして上に向かって努力することを信念にしていたのだと思います。私はまさにそのとおりでした。学校を出て18歳で就職し、トイレの掃除など最も基本的な仕事から全てこなしました。しかし、この方法では他で学べないことが学べます。」
Andrew Taplin氏 Taplin Real Estate 業務執行取締役
同社は、この業界で成功しただけでなく、オーストラリア人のショッピングを文字どおり変えました。
「1960年代の前半、私たちはアデレード郊外のオフィスで営業していました。当時、買い物と言えば商店街、すなわちとおりに沿って並んだ店でした。それがオーストラリアの街並みでした。しかし、父は常に広い視野を持っており、南オーストラリア初の屋内ショッピングモールの開発に関与しました。これは当時にしては大変なことでした。」
近年の「大変なこと」と言えばデジタル化です。不動産業界は、最も大きく変化した業界の一つでしょう。
「私が仕事を始めた頃は、不動産のリストは手書きで、白黒写真があればラッキーでした。今では携帯電話でリストを検索できる他、現地の動画、3Dグラフィック、ドローンで撮影した写真なども見ることができます。お客様とのコミュニケーションだけではありません。資産の取り扱いプロセス全てが変わりました。新しいテクノロジー全てを把握するのは困難ですが、どの新技術が本当にヒットするのかを判断するのはさらに困難です。」
しかし、ここにファミリービジネス企業の強みがあります。
「私たちは速やかに決断を下します。他のタイプの企業より機敏で順応性があると本当に思います。長期的な視野を持つことも大きなメリットです。この業界は、比較的参入障壁が低く、新たに参入してくる人がたくさんいます。でも、こうした人たちは、業界の仕組みを分かっていません。ビジネスプランすらなく、中長期的な戦略計画など言うまでもありません。これらは父が教えてくれた最も重要なスキルです。」