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「暗黙のルール」の文書化:マレーシアにおける経営の専門化

Dato’ Haji Roslan bin Tan Sri Jaffar氏

AZRB 業務執行取締役・グループ COO/マレーシア/複合企業

マレーシアの複合企業AZRBは、今回の調査において取り上げられた多くのテーマの好例です。強力で先見の明に長けた起業家により1982年に創業された同社は、2010年までに総資産4億1,700万米ドルの企業に成長しました。建設、インフラ、プランテーション、石油&ガス、土地開発の分野でアジア中東地域において事業を展開しています。

これは間違いなく大成功といえますが、近年、日常業務の専門化、そして事業戦略の標準化によってしか解決できない問題に直面しています。

2010年には、PwCの会計士として研修を受けた創業者の娘婿、Dato’ Haji Roslan bin Tan Sri Jaffar氏が同社に加わりました。同氏は、公開会社およびその他の部門での専門知識を生かし、会社の運営方法を専門化する役割を担っています。

「当社では、バックオフィスが足かせとなる状況に陥っており、それをそのままにしておくことはできませんでした。そこで私は、着任後5年かけて社内部署の強化と合理化を進めました。また、特定のプロジェクトでの入札歴のある事業体など調整し、法的責任が事業の適切な部署において維持管理されていることを確認する必要もありました。現在、当社では、本社の部署が適切に機能しており、専門の法務、財務、リスク、戦略の各チームと、それらのチームを有効に支援するシステムが設けられています。これが大きな変化をもたらしました。ただし、例えば、新規事業に際して公開企業ほどのリスクアセスメントを行わないなど、ファミリービジネス企業ならではの慣行もまだ残っています。リスクに目は向けるものの、意思決定では直感や経験が重視されています。」

Dato’ Haji Roslan bin Tan Sri Jaffar氏 AZRB業務執行取締役・グループ COO

Dato’ Haji Roslan bin Tan Sri Jaffar氏 AZRB業務執行取締役・グループ COO

評判も非常に重要です。

「会社は創業者を反映します。創業者は、ファミリービジネスの中から選ぶとしても誰を雇用するかについて非常に慎重に判断しています。数年前マレーシア経済が不況に陥った際には、多くの建設業者が、損失を出すことが分かっていたため政府のインフラプロジェクトの途中で撤退しました。しかし、当社は撤退しませんでした。約束を守り、契約を履行することは、当社のプライドの問題でした。さらに当社は、プロジェクトにおける潜在的損失を簡単に受け入れてしまうことはありません。受け入れてしまえば、残りのプロジェクトをより良いものとし、損失を緩和しようというプロジェクトチームの責任を放棄することになると創業者が考えているからです。」

Dato’氏は現在、より長期的な戦略策定の陣頭指揮を執っています。

「就任直後より、長期的な考え方をしなければなりませんでした。当社は、柔軟性を持ち、起業家精神を発揮することで、これまで成長してきました。しかし、ルールが必要になるときというのがあるものです。当社には社内の暗黙のルールがたくさんありました。しかし新入社員の場合は、それを全て理解していることを期待できないため、最終的に事業の障害となる可能性があります。経営の専門化は長期にわたる歩みです。例え不況に臨んでも強い会社を作ることが、私の使命だと考えています。将来のために体力を付けることです。」

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小林 和也

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