2007年以降、Digital IQ調査では組織がどのように技術投資の効果を最大化し、利益に結びつけているかを考察しています。デジタルイノベーションの10年を経た今、私たちは、組織がどのような進捗状況にあり、次世代デジタル技術の真価を引き出すための条件に注目しています。
ほとんどの組織は最新の技術の動き、もしくは次に来る技術進歩の波に対応できていません。この現実はPwCが実施した最新のグローバル調査でも各社が認めています。組織としてのデジタル対応能力への自信については、各社ともかつてない低水準となっており、自社のDigital IQについて「強い自信がある」または「非常に強い自信がある」(スコア70%以上)と評価した回答は、2014年、2015年の調査では経営幹部全体の3分の2に達していましたが、今回は半数をわずかに超える程度にとどまりました。
出典:PwC、Global Digital IQ Survey
回答数:2,216人(2016年)、1,988人(2015年)、1,393人(2014年)
出典:PwC、Global Digital IQ Survey
回答数:2,216人(2016年)、1,988人(2015年)
人間がどう感じ、どう反応するかというヒューマンエクスペリエンスを少しでも向上させることは、Digital IQの向上に極めて重要ですが、戦略や技術に比べて軽視されがちなのが顧客、従業員、社風の存在です。カスタマーエクスペリエンスの向上を最優先事項とした企業は、前年の調査で25%でしたが、今回の調査では10%に低下しています。この偏りがもたらす影響は広範囲にわたります。例えば市場で問題が生じたり、最先端技術の吸収が遅れたりするだけでなく、急激な変化に随時適応して的確に対応できる組織作りの妨げにもなるのです。
モノのインターネット化(IoT)、人工知能(AI)、ロボット工学などの技術はビジネスに劇的な進歩をもたらす可能性があります。こうしたツールには将来性があり、しかも無視すれば時代に乗り遅れるリスクがあるにもかかわらず、最先端技術への投資額は、デジタル技術予算総額に対する割合で見ると、10年前の水準を大幅に上回っているとは言えません。2007年当時、技術予算全体に占める最先端技術投資の平均額の割合は16.8%でした。現在、技術投資全体に占める割合は17.9%とわずかにしか変わっていません。経営陣の声を総合すると、最先端技術の調査よりも、ワークフォースオートメーションのためのクラウド型プラットフォームの導入や業務パフォーマンス向上を狙ったデジタルツールへの投資など、デジタル化の優先課題に注力していることが分かりました。
出典:PwC、2017 Global Digital IQ Survey
回答数:2,216人
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