製造業の未来を切り開くエンジニアリングチェーンのDX
日立製作所のリーダ主任研究員 長野岳彦氏と主任技師 大石晴樹氏、PwCコンサルティングのシニアマネージャー佐藤 涼太が、設計開発領域の変革に取り組む理由、変革ポイント、活動推進における課題について議論しました。
2022 グローバル自動車部品サプライヤーM&A調査
2022-11-10
電動化に代表されるイノベーションの波が自動車業界に押し寄せている中、自動車部品サプライヤーにとっても変革に向けた取り組みは不可欠です。PwCでは自動車部品サプライヤーのM&Aをその重要な手段と捉え、2008年から調査を行っており、本レポートでは2022年の調査結果を元にグローバルの動向を概観し、日系部品サプライヤー企業への提言をまとめました。
グローバルのM&A動向を概観すると、2022年のM&A件数は減少する一方で、1件当たりの案件金額が大きくなる傾向にあります。
欧米を中心に有望な技術を保有する企業のSPAC（Special Purpose Acquisition Company、特別買収目的会社）を活用した資金調達や部品領域横断での再編にフィナンシャルバイヤーが積極的に関与した結果、1件当たりの金額が底上げされてきた傾向にあります。
とりわけ、CASE（Connected, Autonomous, Shared, Electric）の進展に伴い、電動化やADAS（Advance Driver Assistance System、先進運転支援システム）に関連する案件の比率の増加が顕著です。
また、グローバルトップの部品サプライヤーのM&A動向を分析した結果、要素技術の獲得、ポートフォリオの再編、サービス事業の取り込みなどの動きを通じて新しい事業の柱の構築に取り組んでいることが浮き彫りになりました。
続いて、グローバル部品サプライヤーの経営環境について、2021年における収益性はROIC/EBITDAの観点から改善傾向にありますが、昨今のインフレ、サプライチェーン問題により経営不振に陥る企業が増加しています。
上記の動向は、日系サプライヤーにとっても無関係ではなく、非連続的な成長の実現に向けた取り組みのためには、M&Aの有効活用だけでなく、既存事業から投資原資をどう捻出するかなど、長期ビジョンを持った検討が必要です。
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